さて日常的に使われるもので「甲斐性」という言葉があります。
この甲斐性に使用されている漢字（特に”斐”）は普段あまり見ることはなく、
どのような読み方なのか分からないという人も多いですよね。
そこでこのページでは甲斐性の読み方と意味、「かいしょう」と「こうひせい」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
１．甲斐性の正しい読み方は「かいしょう」「こうひせい」？
では甲斐性の正しい読み方は、「かいしょう」「こうひせい」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、甲斐性の正しい読み方は「かいしょう」「かいしょ」になります。
甲斐性の”甲”は「こう」、”斐”は「ひ」、”性”は「せい」「しょう」と読むことができますが、甲斐性を「こうひせい」と読むのは間違いです。
ただ一般的には甲斐性は「かいしょう」と読むことがほとんどです。
甲斐性を「かいしょ」と読むのは、「かいしょう」という読み方が音変化したもので、簡単に言えば「かいしょ」は、”「かいしょう」を発音しやすい音に変化させた読み方”です。
また甲斐を「かい」と読むのは”熟字訓（じゅくじくん）”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字１字に読み方をあてるのではなく、熟字（２字以上の漢字の組み合わせ）に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字（２字以上の漢字の組み合わせ）に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓（じゅくじくん）です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字（２字以上の漢字の組み合わせ）に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「甲斐（かい）」に用いられている”甲”は単体で「か」と読むことはできず、”斐”も単体では「い」と読むことはできません。
ですので漢字１字の訓読み（草：くさ）のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で甲斐性の意味と類義語について解説していきます。
２．甲斐性の意味と類義語について
では甲斐性の意味と類義語について見ていきましょう。
まず甲斐性は「物事を立派にやり遂げていく能力のこと」の意味として用いられています。
甲斐性は一般的には「物事を立派にやり遂げていく能力」のうち、”経済的な生活能力のこと”の意味で使われることがほとんどです。
甲斐性を用いた例文としては、「彼は甲斐性のある男性だ」や、
「彼の甲斐性のなさには愛想が尽きた」のような使い方で用いられています。
また甲斐性の類義語としては、「財力（ざいりょく）・経済力（けいざいりょく）・資金力（しきんりょく）・胆力（たんりょく）」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても甲斐性と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「甲斐性の読み方と意味、”かいしょう”と”こうひせい”正しいのは？」でした。
３．まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 甲斐性の正しい読み方は「かいしょう」「かいしょ」の両方で、「こうひせい」は間違い。
- 甲斐性は「物事を立派にやり遂げていく能力のこと（経済的な生活能力のことを指すことが多い）」の意味。
- 甲斐性の類義語には、「財力・経済力・資金力・胆力」などがある。