結論から言ってしまうと、其方の正しい読み方は「そなた」「そちら」「そっち」「そち」になります。
其方の”其”は「そ(の)」「き」、”方”は「かた」「ほう」と読むことができますが、其方を「そほう」と読むのは間違いです。
一般的には其方は「そちら」と読むことが多いです。
ただ其方は「そなた」「そちら」「そっち」「そち」のどれで読むかによって、意味が少し異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また其方を「そなた」「そちら」「そっち」「そち」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「其方(そなた、そちら、そっち、そち)」に用いられている”其”は単体で「そ」と読むことはできますが、”方”は単体では「なた」「ちら」「ち」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で其方の意味について解説していきます。
其方(そちら)は「聞き手に近い方向/聞き手のいる方向/聞き手の近くにある物を指す語/聞き手、または聞き手の側を指す語/聞き手のすぐそばにいる人のことを指す語」の意味として用いられています。
其方を「そちら」と読むと上記のような意味になりますが、
「そなた」「そち」「そっち」と読むとそれぞれ下記のような意味となります。
其方を「そなた」と読むと「話し手から遠い場所・方向などを示す語/やや丁寧な言い方として、目下の相手を指す語」、「そっち」と読むと「”そちら”よりもやや砕けた感じの言い方」、「そち」と読むと「話し手から遠い場所・方向などを示す語/目下の相手を指す語」の意味になります。
このように其方は「そちら」「そなた」「そち」「そっち」のどれで読むかによって意味が少し異なるので覚えておきましょう。
其方を用いた例文としては、「其方(そちら)はお勧めの商品になります」や、「其方(そちら)はどちら様でしょうか」のような使い方で用いられています。
前者の例文は「聞き手の近くにある物を指す語」の意味で、後者の例文は「聞き手のすぐそばにいる人のことを指す語」の意味で使用しています。
以上が「其方の読み方と意味、”そなた”と”そほう”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど