さて日常的に使われることはあまりないですが、「陰日向」という言葉があります。
この陰日向に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
陰日向がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは陰日向の読み方と意味、「かげひなた」と「いんにちこう」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.陰日向の正しい読み方は「かげひなた」「いんにちこう」?
では陰日向の正しい読み方は、「かげひなた」「いんにちこう」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、陰日向の正しい読み方は「かげひなた」になります。
陰日向の”陰”は「かげ」「いん」、”日”は「ひ」「にち」、”向”は「む(かう)」「こう」と読むことができますが、陰日向を「いんにちこう」と読むのは間違いです。
日向を「ひなた」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「日向(ひなた)」に用いられている”日”は単体で「ひ」と読むことはできますが、”向”は単体では「なた」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で陰日向の意味と類義語について解説していきます。
2.陰日向の意味と類義語について
では陰日向の意味と類義語について見ていきましょう。
まず陰日向は「日の当たらない所と当たる所のこと/人の見ている所と見ていない所とで言動が変わること/表に出たり、裏にまわったりして人を援助すること」の意味として用いられています。
陰日向を用いた例文としては、「陰日向なく働く」や、
「陰日向になって助ける」のような使い方で用いられています。
前者の例文は「人の見ている所と見ていない所とで言動が変わること」の意味で、
後者の例文は「表に出たり、裏にまわったりして人を援助すること」の意味で使用しています。
また陰日向の類義語としては、「表裏(ひょうり)・腹背(ふくはい)・内外(ないがい)・光と影」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても陰日向と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「陰日向の読み方と意味、”かげひなた”と”いんにちこう”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 陰日向の正しい読み方は「かげひなた」で、「いんにちこう」は間違い。
- 陰日向は「日の当たらない所と当たる所のこと/人の見ている所と見ていない所とで言動が変わること/表に出たり、裏にまわったりして人を援助すること」の意味。
- 陰日向の類義語には、「表裏・腹背・内外・光と影」などがある。