さてあなたは甲と乙という言葉を聞いたことがありますか?
契約書のような書類には自分と相手のことをそれぞれ指すときに、
”甲”と”乙”といわれる言葉で書き記していることが多いです。
しかしそのような書類を見たときに「甲と乙がどっちを指しているのか分からない!」と、
過去に困った経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
そこでこのページでは甲と乙はどっちが自分のことを指しているのか?
またそもそも甲と乙がどのような意味なのかを簡単に解説します。
どうぞご覧ください。
では甲(こう)と乙(おつ)はどっちが自分のことを指しているのかを簡単に解説していきます。
さっそくですが、甲と乙にはどっちが自分でどっちが相手というような決まりはありません。
しかし特にどっちだという決まりがないとは言っても一般的に使用されるうえで多いのは、
そのときの”立場が上の方が甲”で”立場が下の方が乙”になります。
(なぜ甲が上の立場で、乙が下の立場なのかは次の章で詳しく解説します)
立場が上か下かというのは簡単に言えば、
”お客様なのかお店なのか”または”大企業なのか下請けなのか”ということです。
さてそれぞれの場合で見ていきましょう。
お客様とお店という視点で見てみると、
お客様はサービスを受ける側で、お店はサービスを与える側です。
”お客様は神様”というような言葉もありましたが、
実際にお店というのはお客様がいなければ経営が成り立ちません。
お客様がお金を支払いサービスを受けてくれたり、
そのお店の商品を購入してくれるからこそお店は経営することができるんですね。
ですのでもしあなたがお客様側であれば契約書では甲ということになり、
反対にあなたがお店側なのであれば契約書では乙という場合がほとんどです。
では大企業と下請けの場合で見ていきましょう。
大企業と下請けの関係としては会社員の人なら分かると思いますが、
大企業は下請けに仕事を与える側で、下請けは大企業から仕事を受ける側です。
つまり大企業は下請けに仕事を行ってもらう代わりに、その報酬としてお金を支払います。
(下請けは大企業から仕事をもらい、報酬としてお金を受け取ります)
基本的に下請けの人は大企業側から指示を受けて仕事をすることになるので、
大企業側の方が立場が上で、下請け側の方が立場が下になるわけです。
ですのでもしあなたが大企業側であれば契約書では甲ということになり、
反対に下請け側であれば契約書では乙ということが多いはずです。
ただし契約書などの書類を作成する人によってはたとえ自分の立場が上の場合であっても、
相手への謙譲の意味を込めて立場が下の方を甲とする場合もあります。
なので一般的には甲(立場が上)と乙(立場が下)はお互いの立場によって決まることが多いですが、
上記のように必ずしも立場によって決められているわけではないので注意してください。
また契約書の甲と乙で立場による考え方がややこしいと感じる人は、
お金を払支払う側なのかどうかを考えてみると分かりやすいでしょう。
お客様とお店の場合はお客様がお金を支払うので甲(立場が上)で、
大企業と下請けの場合は大企業がお金を支払うので甲(立場が上)です。
このように考えてみると少しは理解しやすくなりますよね。
次の章では甲と乙がそもそもどういう意味なのかと、
なぜ甲の方が立場が上で、乙の方が立場が下とされているのかを解説していきますね。
ではそもそも甲と乙ってどういう意味なのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと”甲”と”乙”という言葉は、
中国から伝えられた十干(じっかん)と呼ばれる数字のようなものです。
十干(じっかん)はその名の通り、甲と乙を合わせて全部で10個存在します。
上のように甲(こう)にいくほど数字が小さくて、癸(き)にいくほど数字が大きいです。
昔の日本では中国から伝えられた十干が実際に成績表に用いられています。
(甲乙丙丁の4段階で甲は最高評価で、丁は最低評価です)
順番でいうと甲が1番で乙が2番になり、契約書では甲の方が立場が上で、
乙の方が立場が下とされることが多いようです。
ちなみに”甲乙(こうおつ)つけがたい”という言葉を聞いたことがあると思います。
この言葉は”互角”のような両者の実力が同じ程度のときに使用され、
つまり甲と乙の意味からも順位が1番(甲)と2番(乙)が付けにくいということです。
甲と乙の意味自体が理解できれば、悩むことも少なくなりますよね。
これからきっと役に立つときが来るので、甲と乙の意味をしっかりと覚えておきましょう。
以上が「甲と乙はどっちが自分のこと?そもそも甲と乙ってどういう意味?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、