さて日常的に使われることはあまりないですが、「経帷子」という言葉があります。
この経帷子に使用されている漢字(特に”帷”)は普段あまり見ることはなく、
どのような読み方なのか分からないという人も多いですよね。
そこでこのページでは経帷子の読み方と意味、「きょうかたびら」と「けいかたびら」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.経帷子の正しい読み方は「きょうかたびら」「けいかたびら」?
では経帷子の正しい読み方は、「きょうかたびら」「けいかたびら」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、経帷子の正しい読み方は「きょうかたびら」になります。
経帷子の”経”は「へ(る)」「けい」「きょう」と読むことができますが、
経帷子は「きょうかたびら」と読むのが正しく、「けいかたびら」と読むのは間違いです。
帷子を「かたびら」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「帷子(かたびら)」に用いられている”帷”は単体で「かた」と読むことはできず、”子”も単体では「びら」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で経帷子の意味と類義語について解説していきます。
2.経帷子の意味と類義語について
では経帷子の意味と類義語について見ていきましょう。
まず経帷子は「仏式(ぶっしき)で死者を葬るとき、死者に着せる着物のこと」の意味として用いられています。
仏式というのは、”仏教の方式のこと”で、経帷子は白麻(はくま)などで作られ、真言・名号・題目などが書かれています。
また経帷子の類義語としては、「死装束(しにしょうぞく)・白装束(しろしょうぞく)・白無垢(しろむく)・無垢(むく)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても経帷子と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「経帷子の読み方と意味、”きょうかたびら”と”けいかたびら”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 経帷子の正しい読み方は「きょうかたびら」で、「けいかたびら」は間違い。
- 経帷子は「仏式で死者を葬るとき、死者に着せる着物のこと」の意味。
- 経帷子の類義語には、「死装束・白装束・白無垢・無垢」などがある。