このページでは一向の読み方と意味、「ひたすら」と「いっこう」どちらが正しいのかを解説しています。

 

 

 

 

結論から言ってしまうと、一向の正しい読み方は「ひたすら」「いっこう」「ひたぶる」になります。

 

一向の”一”は「ひと（つ）」「いち」「いつ」（促音化により「いっ」）、”向”は「む（かう）」「こう」と読むことができます。

 

（促音化とは、２つの語が結びついて１つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語（カ行・サ行・タ行・パ行）の前に付いた音が「っ」（これを促音という）に変化する現象のこと）

 

 

 

一般的には一向は「いっこう」と読むことが多く、「ひたすら」は”只管（ひたすら）”と書き表されることがほとんどです。

 

ただ一向は「ひたすら」「いっこう」「ひたぶる」のどれで読むかによって、意味が少し異なるので注意が必要です。

 

（次の章でそれぞれの意味について解説していきます）

 

 

 

一向を「ひたすら」「ひたぶる」と読むのは”熟字訓（じゅくじくん）”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字１字に読み方をあてるのではなく、熟字（２字以上の漢字の組み合わせ）に訓読みをあてた読み方のことです。

 

熟字（２字以上の漢字の組み合わせ）に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓（じゅくじくん）です。

 

”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。

 

 

なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。

 

訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。

 

 

 

そして熟字訓は熟字（２字以上の漢字の組み合わせ）に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。

 

例えば「一向（ひたすら、ひたぶる）」に用いられている”一”は単体で「ひた」と読むことはできず、”向”も単体では「すら」「ぶる」と読むことはできません。

 

 

ですので漢字１字の訓読み（草：くさ）のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。

 

熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。

 

次の章で一向の意味について解説していきます。

 

 

一向（ひたすら）は「一途なさま」の意味として用いられています。

 

 

一向を「ひたすら」と読むと上記のような意味になりますが、
「いっこう」「ひたぶる」と読むとそれぞれ下記のような意味となります。

 

一向は「いっこう」と読むと「（”一向に～ない”の形で）少しも/全く」の意味で、「ひたぶる」と読むと「一途なさま/すっかり。全く」の意味になります。

 

このように一向は「ひたすら」「いっこう」「ひたぶる」のどれで読むかによって、意味が少し異なるので覚えておきましょう。

 

 

 

一向を用いた例文としては、「一向（ひたすら、ひたぶる）に勉強する」や、「それで一向（いっこう）に構わない」のような使い方で用いられています。

 

前者の例文は「一途なさま」の意味で、後者の例文は「（”一向に～ない”の形で）少しも」の意味で使用しています。

 

 

 

また一向の類義語としては、「一途（いちず）・専ら（もっぱら）・盲信（もうしん）・愚直（ぐちょく）」などの言葉が挙げられます。

 

どの言葉についても一向と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。

 

 

以上が「一向の読み方と意味、”ひたすら”と”いっこう”正しいのは？」でした。

 

 

これまで説明したことをまとめますと、

 

 

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