さて日常的に使われることはあまりないですが、「斥候」という言葉があります。
この斥候に使用されている漢字（特に”斥”）は普段あまり見ることはなく、
どのような読み方なのか分からないという人も多いですよね。
そこでこのページでは斥候の読み方と意味、「きんこう」と「せっこう」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
１．斥候の正しい読み方は「きんこう」「せっこう」？
では斥候の正しい読み方は、「きんこう」「せっこう」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、斥候の正しい読み方は「せっこう」「うかみ」になります。
斥候の”斥”は「うかが（う）」「せき」（促音化により「せっ」）と読むことはできますが、「きん」と読むことはできないので、斥候を「きんこう」と読むのは間違いです。
（促音化とは、２つの語が結びついて１つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語（カ行・サ行・タ行・パ行）の前に付いた音が「っ」（促音）に変化すること）
ただ一般的には斥候は「せっこう」と読むことがほとんどです。
斥候の”斥（せき）”という字は、”斤（きん）”という字によく似ているため注意が必要です。
また斥候を「うかみ」と読むのは”熟字訓（じゅくじくん）”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字１字に読み方をあてるのではなく、熟字（２字以上の漢字の組み合わせ）に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字（２字以上の漢字の組み合わせ）に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓（じゅくじくん）です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字（２字以上の漢字の組み合わせ）に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「斥候（うかみ）」に用いられている”斥”は単体で「うか」と読むことはできず、”候”も単体では「み」と読むことはできません。
ですので漢字１字の訓読み（草：くさ）のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で斥候の意味と類義語について解説していきます。
２．斥候の意味と類義語について
では斥候の意味と類義語について見ていきましょう。
まず斥候は「敵の様子や地形などの状況を密かに調べること。また、それを行う人のこと」の意味として用いられています。
斥候を用いた例文としては、「斥候に出ている」や、
「斥候からの情報によるとそれで間違いない」のような使い方で用いられています。
また斥候の類義語としては、「偵察（ていさつ）・索敵（さくてき）・隠密（おんみつ）・探索（たんさく）」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても斥候と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「斥候の読み方と意味、”きんこう”と”せっこう”正しいのは？」でした。
３．まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 斥候の正しい読み方は「せっこう」「うかみ」の両方で、「きんこう」は間違い。
- 斥候は「敵の様子や地形などの状況を密かに調べること。また、それを行う人のこと」の意味。
- 斥候の類義語には、「偵察・索敵・隠密・探索」などがある。