さて日常的に使われるもので「宿直」という言葉があります。
この宿直に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
宿直がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは宿直の読み方と意味、「とのい」と「しゅくちょく」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.宿直の正しい読み方は「とのい」「しゅくちょく」?
では宿直の正しい読み方は、「とのい」「しゅくちょく」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、宿直の正しい読み方は「とのい」「しゅくちょく」の両方になります。
宿直の”宿”は「やど」「しゅく」、”直”は「なお(す)」「ちょく」と読むことができます。
一般的には宿直は「しゅくちょく」と読むことがほとんどです。
ただ宿直は「とのい」「しゅくちょく」のどちらで読むかによって、意味が異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また宿直を「とのい」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「宿直(とのい)」に用いられている”宿”は単体で「との」と読むことはできず、”直”も単体では「い」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で宿直の意味と類義語について解説していきます。
2.宿直の意味と類義語について
では宿直の意味と類義語について見ていきましょう。
まず宿直(とのい)は「夜間、宮中や役所に泊まって守衛をすること/天子や貴人の寝所に仕えること」の意味として用いられています。
天子(てんし)というのは”天皇のこと”で、貴人(きじん)というのは”身分の高い人のこと”を意味しています。
宿直を「とのい」と読むと上記のような意味になりますが、
「しゅくちょく」と読むと「勤務先に交替で泊まり、夜の警備にあたること。また、その人のこと」の意味となります。
このように宿直は「とのい」「しゅくちょく」のどちらで読むかによって、意味が異なるので覚えておきましょう。
宿直を用いた例文としては、「宿直(とのい)という役目」や、
「明日は宿直(しゅくちょく)の日だ」のような使い方で用いられています。
前者の例文は「夜間、宮中や役所に泊まって守衛をすること」の意味で、
後者の例文は「勤務先に交替で泊まり、夜の警備にあたること」の意味で使用しています。
また宿直の類義語としては、「当直(とうちょく)・夜勤(やきん)・夜直(やちょく)・遅番(おそばん)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても宿直と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「宿直の読み方と意味、”とのい”と”しゅくちょく”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 宿直の正しい読み方は「とのい」「しゅくちょく」の両方。
- 宿直(とのい)は「夜間、宮中や役所に泊まって守衛をすること/天子や貴人の寝所に仕えること」の意味。
- 宿直(しゅくちょく)は「勤務先に交替で泊まり、夜の警備にあたること。また、その人のこと」の意味。
- 宿直の類義語には、「当直・夜勤・夜直・遅番」などがある。