さて日常的に使われるもので「暖簾」という言葉があります。
この暖簾に使用されている漢字(特に”簾”)は普段あまり見ることはなく、
どのような読み方なのか分からないという人も多いですよね。
そこでこのページでは暖簾の読み方と意味、「のれん」と「だんれん」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.暖簾の正しい読み方は「のれん」「だんれん」?
では暖簾の正しい読み方は、「のれん」「だんれん」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、暖簾の正しい読み方は「のれん」になります。
暖簾の”暖”は「あたた(かい)」「だん」、”簾”は「す」「すだれ」「れん」と読むことができますが、暖簾を「だんれん」と読むのは間違いです。
暖簾を「のれん」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「暖簾(のれん)」に用いられている”簾”は単体で「れん」と読むことはできますが、”暖”は単体では「の」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で暖簾の意味と類義語について解説していきます。
2.暖簾の意味と類義語について
では暖簾の意味と類義語について見ていきましょう。
まず暖簾は「店先に垂らす店名を記した布のこと/部屋の入り口や仕切りに垂らす布のこと/店の信用・格式のこと」の意味として用いられています。
暖簾を用いた例文としては、「暖簾をくぐる」や、
「店の暖簾を守る」のような使い方で用いられています。
前者の例文は「店先、部屋の入り口などに垂らす布」の意味で、
後者の例文は「店の信用・格式」の意味で使用しています。
また暖簾の類義語としては、「仕切り(しきり)・幕(まく)・引幕(ひきまく)・カーテン」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても暖簾と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「暖簾の読み方と意味、”のれん”と”だんれん”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 暖簾の正しい読み方は「のれん」で、「だんれん」は間違い。
- 暖簾は「店先に垂らす店名を記した布のこと/部屋の入り口や仕切りに垂らす布のこと/店の信用・格式のこと」の意味。
- 暖簾の類義語には、「仕切り・幕・引幕・カーテン」などがある。