さて日常的に使われるもので「方舟」という言葉があります。
この方舟に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
方舟がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは方舟の読み方と意味、「はこぶね」と「ほうしゅう」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.方舟の正しい読み方は「はこぶね」「ほうしゅう」?
では方舟の正しい読み方は、「はこぶね」「ほうしゅう」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、方舟の正しい読み方は「はこぶね」になります。
方舟の”方”は「かた」「ほう」、”舟”は「ふね」「しゅう」(連濁により「ぶね」)と読むことができますが、方舟を「ほうしゅう」と読むのは間違いです。
(連濁とは、2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと)
方舟を「はこぶね」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「方舟(はこぶね)」に用いられている”舟”は連濁により「ぶね」と読むことはできますが、”方”は単体では「はこ」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で方舟の意味について解説していきます。
2.方舟の意味について
では方舟の意味について見ていきましょう。
まず方舟は「長方形の船のこと/旧約聖書の”ノアの方舟(はこぶね)”のこと」の意味として用いられています。
ノアの方舟というのは、神が地上に増えた人々が堕落しているのを見て、
洪水で滅ぼそうとしますが、神は”神と共に歩んだ正しい人である”ノアに方舟の建設を命じます。
方舟は3階建てで、中に小さな部屋がたくさん設けられ、
方舟が完成するとノアの妻と3人の息子とその妻、すべての動物のつがいを乗せました。
(つがいというのは、”雄(オス)と雌(メス)”のこと)
そして大洪水が起こり、地上の生物はすべて滅ぼされ、方舟に乗っていた生物は助かりました。
神はその後、このような大洪水は決して起こさないことを約束した、という物語になります。
以上が「方舟の読み方と意味、”はこぶね”と”ほうしゅう”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 方舟の正しい読み方は「はこぶね」で、「ほうしゅう」は間違い。
- 方舟は「長方形の船のこと/旧約聖書の”ノアの方舟”のこと」の意味。