結論から言ってしまうと、熨斗の正しい読み方は「のし」になります。
熨斗の”熨”は「の(す)」「い」、”斗”は「と」と読むことができますが、熨斗を「いと」と読むのは間違いです。
熨斗を「のし」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「熨斗(のし)」に用いられている”熨”は単体で「の」と読むことはできますが、”斗”は単体では「し」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で熨斗の意味について解説していきます。
熨斗は「喜び祝う気持ちを表すために、贈答品(ぞうとうひん)に添えるもの」の意味として用いられています。
贈答品というのは、”中元・歳暮などの年中行事、結婚・出産などの祝い事などのときに贈られる品物のこと”を意味します。
そして熨斗は”四角い色紙を細長い六角形に折ったもののこと”を呼び、
熨斗が書かれた(印刷された)紙のことを「熨斗紙(のしがみ)」と呼びます。
ですので贈り物に熨斗を付けて贈るというよりは、熨斗が印刷された熨斗紙を贈り物に付けて贈る、といった方が正しいです。
ちなみにお祝いに金銭を贈るときは、「熨斗袋(のしぶくろ)」と呼ばれる”熨斗が印刷された紙の袋”の中に金銭を入れて贈るのが一般的です。
なのでお祝い事で金銭以外の贈り物であれば”熨斗紙”を添えて贈り、金銭を贈るのであれば”熨斗袋”の中に金銭を入れて贈りましょう。
以上が「熨斗の読み方と意味、”のし”と”いと”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど