結論から言ってしまうと、薬師の正しい読み方は「くすし」「くすりし」「やくし」になります。
薬師の”薬”は「くすり」「やく」と読むことができます。
一般的には薬師は「くすし」と読むことが多いです。
ただ薬師を「くすし」「くすりし」「やくし」のどれで読むかによって、意味が異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また薬師の”薬”の読み方は「くすり」と読むことはできますが、それ単体では「くす」と読むことはできません。
薬師のように「くすりし」ではなく、「くすし」と変化して読むのは、日本語の「音韻脱落(おんいんだつらく)」と呼ばれているものです。
音韻脱落とは、”語を合成したときに、発音しやすくするため、元々あった音が一部なくなる現象のこと”を言います。
薬師(=合成した後の語)であれば、合成する前は薬(くすり)[kusuri]+師(し)[shi]で、そのまま合成すると薬師(くすりし)[kusurishi]となりますが、音韻脱落により”ri”の音がなくなり薬師(くすし)[kusushi]と変化します。
・薬(くすり)[kusuri] + 師(し)[shi] → 薬師(くすし)[kusushi]
例えば「読経(どきょう)」や「荒磯(ありそ)」は音韻脱落なしで読むと、
「どくきょう」や「あらいそ」と読むのが普通です。
・読(どく)[doku] + 経(きょう)[kyou] → 読経(どきょう)[dokyou]
・荒(あら)[ara] + 磯(いそ)[iso] → 荒磯(ありそ)[ariso]
(荒磯は一般的に「あらいそ」と読むことが多いですが、音韻脱落により「ありそ」と読むこともできます)
もともと”読”には「ど」という読み方はないですし、”荒”にも「あり」という読み方は存在しません。
ですが日本語では音韻脱落によって元々あった音が一部なくなるため、
「読(ど)」「荒磯(ありそ)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が音韻脱落によって、元々あった音が一部なくなるわけではないので、注意してください。
次の章で薬師の意味について解説していきます。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど