結論から言ってしまうと、玄人の正しい読み方は「くろうと」になります。
玄人の”玄”は「くろ(い)」「げん」、”人”は「ひと」「にん」「じん」と読むことができますが、玄人を「げんじん」「くろうど」と読むのは間違いです。
また玄人の”人”の読み方は「ひと」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「うと」という読み方をすることはできません。
玄人のように「くろひと」ではなく、「くろうと」と変化して読むのは、日本語の音便(おんびん)のひとつである”ウ音便”と呼ばれているものです。
(音便とは、”発音しやすくするために、言い方を変えること”です)
ウ音便とは、”語中・語尾の「く」「ぐ」「ひ」「び」「み」などの音が、「う」の音に変化する現象のこと”を言います。
玄人であれば、”玄人(くろひと) → 玄人(くろうと)”となり、「ひ」の音が「う」の音に変化します。
例えば、ウ音便には他にも「素人(しろうと)」や「仲人(なこうど)」などがあります。
・ 素人(しろひと) → 素人(しろうと)
・ 仲人(なかびと) → 仲人(なかうど) → 仲人(なこうど)
素人(しろうと)は「ひ」の音が「う」の音に変化して、仲人(なこうど)は「び」の音が「う」の音に変化して、そこからさらに発音しやすいように変化して「なこうど」と読まれるようになりました。
玄人(くろうと)や素人(しろうと)のように単純に「う」の音に変化するものだけでなく、
仲人(なこうど)のように「う」の音に変化した後に、さらに発音しやすいように変化するものもあるため注意してください。
次の章で玄人の意味について解説していきます。
玄人は「その道に熟達している人。専門家のこと」の意味として用いられています。
玄人の対義語を表す言葉に「素人(しろうと)」がありますが、
素人は”初心者”であるのに対して、玄人は”プロ”というような意味を持ちます。
素人・玄人という言葉は、もともと「白人(しらひと)・黒人(くろひと)」と言われていました。
白は「何色にも染まっていない」ということから転じて、
”特別な能力や才能を身に付けていない”という意味になりました。
そして白の反対の言葉はどうしたら良いかということで付けられたのが黒です。
なので初めは「白人(しらひと)・黒人(くろひと)」という言葉が使われていたんですね。
そこからそれらの言葉が変化して、「しろうと・くろうと」となり、
それぞれの漢字として素人・玄人が当てられたというわけです。
素人の”素”という字には「色を付けていない」などの意味があり、
玄人の”玄”という字には「黒い/奥深い」などの意味があります。
これが素人・玄人という言葉の由来になります。
以上が「玄人の読み方と意味、”くろうと”と”げんじん”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど