結論から言ってしまうと、完膚の正しい読み方は「かんぷ」になります。
完膚の”膚”は「ふ」と読むことができますが、完膚は「かんぷ」と読むのが正しく、「かんふ」と読むのは間違いです。
また完膚の”膚”の読み方は「ふ」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ぷ」という読み方をすることはできません。
完膚のように「かんふ」ではなく、「かんぷ」と変化して読むのは、日本語の「半濁音化(はんだくおんか)」と呼ばれているものです。
半濁音化とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭(ハ行音)がパ行音に変化する現象のこと”を言います。
このパ行音(パ・ピ・プ・ペ・ポ)のことを”半濁音(はんだくおん)”と呼びます。
完膚であれば、完(かん)+膚(ふ)なので、膚(後ろの語)の語頭である”ふ”が半濁音の”ぷ”に変化します。
例えば「卵白(らんぱく)」や「分布(ぶんぷ)」は半濁音化なしで読むと、
「らんはく」や「ぶんふ」と読むのが普通です。
もともと”白”には「ぱく」という読み方はないですし、”布”にも「ぷ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では半濁音化によって半濁音(パ行音)に変化するため、
「卵白(らんぱく)」「分布(ぶんぷ)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が半濁音化によって半濁音(パ行音)に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で完膚の意味について解説していきます。
完膚は「傷のない皮膚。また、傷のない箇所(かしょ)のこと」の意味として用いられています。
完膚は”完膚無きまで”ということわざで用いられることがほとんどで、”完膚無きまで”は「(傷のない箇所がないくらいまで)徹底的に」の意味となります。
完膚を用いた例文としては、「完膚無きまでに叩きのめす」や、
「完膚無きまでの敗北を喫(きっ)した」のような使い方で用いられています。
また完膚の類義語としては、「無傷(むきず)・無事(ぶじ)・無欠(むけつ)・無瑕(むか)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても完膚と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「完膚の読み方と意味、”かんふ”と”かんぷ”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど