さて日常的に使われることはあまりないですが、「出陳」という言葉があります。
この出陳に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
出陳がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは出陳の読み方と意味、「しゅっちん」と「しゅっとう」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.出陳の正しい読み方は「しゅっちん」「しゅっとう」?
では出陳の正しい読み方は、「しゅっちん」「しゅっとう」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、出陳の正しい読み方は「しゅっちん」になります。
出陳の”陳”は「ちん」と読むことはできますが、「とう」と読むことはできないので、出陳を「しゅっとう」と読むのは間違いです。
また出陳の”出”の読み方は「しゅつ」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「しゅっ」という読み方をすることはできません。
出陳のように「しゅつちん」ではなく、「しゅっちん」と変化して読むのは、日本語の「促音化(そくおんか)」と呼ばれているものです。
促音化とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語(カ行・サ行・タ行・パ行)の前に付いた音が「っ」(これを促音という)に変化する現象のこと”を言います。
出陳であれば、出(しゅつ)+陳(ちん)なので、陳(後ろの語)の前に付いた音である”つ”が促音の”っ”に変化します。
例えば「楽器(がっき)」や「切削(せっさく)」は促音化なしで読むと、
「がくき」や「せつさく」と読むのが普通です。
もともと”楽”には「がっ」という読み方はないですし、”切”にも「せっ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では促音化によって促音(「っ」)に変化するため、
「楽(がっ)」「切(せっ)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が促音化によって促音(「っ」)に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で出陳の意味と類義語について解説していきます。
2.出陳の意味と類義語について
では出陳の意味と類義語について見ていきましょう。
まず出陳は「展覧会などに物品を出して陳列すること」の意味として用いられています。
出陳を用いた例文としては、「展覧会に出陳された品」や、
「作品が出陳されたことで有名になった」のような使い方で用いられています。
また出陳の類義語としては、「展示(てんじ)・掲示(けいじ)・掲載(けいさい)・展覧(てんらん)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても出陳と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「出陳の読み方と意味、”しゅっちん”と”しゅっとう”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 出陳の正しい読み方は「しゅっちん」で、「しゅっとう」は間違い。
- 出陳は「展覧会などに物品を出して陳列すること」の意味。
- 出陳の類義語には、「展示・掲示・掲載・展覧」などがある。