さて日常的に使われるもので「出船」という言葉があります。
この出船に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
出船がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは出船の読み方と意味、「でふね」と「しゅっせん」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.出船の正しい読み方は「でふね」「しゅっせん」?
では出船の正しい読み方は、「でふね」「しゅっせん」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、出船の正しい読み方は「でふね」「しゅっせん」「でぶね」になります。
出船の”出”は「で(る)」「しゅつ」(促音化により「しゅっ」)、”船”は「ふね」「せん」と読むことができます。
(促音化とは、2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語(カ行・サ行・タ行・パ行)の前に付いた音が「っ」(これを促音という)に変化する現象のこと)
一般的には出船は「でふね」と読むことが多いです。
ただ出船は「でふね」「しゅっせん」「でぶね」のどれで読むかによって、意味が少し異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また”船”の読み方は「ふね」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ぶね」という読み方をすることはできません。
出船のように「でふね」ではなく、「でぶね」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
出船であれば、出(で)+船(ふね)なので、船(後ろの語)の語頭である清音の”ふ”が濁音の”ぶ”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では、連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で出船の意味と類義語について解説していきます。
2.出船の意味と類義語について
では出船の意味と類義語について見ていきましょう。
まず出船(でふね、でぶね)は「船が港を出ること。また、港を出ていく船のこと」の意味として用いられています。
出船を「でふね」「でぶね」と読むと上記のような意味になりますが、「しゅっせん」と読むと「船が港を出ること」の意味のみとなります。
このように出船は「でふね」「しゅっせん」「でぶね」のどれで読むかによって、意味が少し異なるので覚えておきましょう。
また出船の類義語としては、「出航(しゅっこう)・出帆(しゅっぱん)・出港(しゅっこう)・解纜(かいらん)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても出船と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「出船の読み方と意味、”でふね”と”しゅっせん”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 出船の正しい読み方は「でふね」「しゅっせん」「でぶね」のすべて。
- 出船(でふね、でぶね)は「船が港を出ること。また、港を出ていく船のこと」の意味。
- 出船(しゅっせん)は「船が港を出ること」の意味。
- 出船の類義語には、「出航・出帆・出港・解纜」などがある。