さて日常的に使われるもので「着尺」という言葉があります。
この着尺に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
着尺がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは着尺の読み方と意味、「きじゃく」と「ちゃくじゃく」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.着尺の正しい読み方は「きじゃく」「ちゃくじゃく」?
では着尺の正しい読み方は、「きじゃく」「ちゃくじゃく」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、着尺の正しい読み方は「きじゃく」になります。
着尺の”着”は「き(る)」「ちゃく」、”尺”は「しゃく」と読むことができますが、着尺を「ちゃくじゃく」と読むのは間違いです。
また”尺”の読み方は「しゃく」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「じゃく」という読み方をすることはできません。
着尺のように「きしゃく」ではなく、「きじゃく」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
着尺であれば、着(き)+尺(しゃく)なので、尺(後ろの語)の語頭である清音の”しゃ”が濁音の”じゃ”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では、連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で着尺の意味と類義語について解説していきます。
2.着尺の意味と類義語について
では着尺の意味と類義語について見ていきましょう。
まず着尺は「大人の和服1着分を仕立てるのに必要な反物(たんもの)の長さと幅のこと」の意味として用いられています。
普通は”長さ約11.4メートル、幅約36センチメートルのこと”を指します。
また着尺の類義語としては、「着丈(きたけ)・羽尺(はじゃく)・三幅(みの)・並幅(なみはば)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても着尺と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「着尺の読み方と意味、”きじゃく”と”ちゃくじゃく”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 着尺の正しい読み方は「きじゃく」で、「ちゃくじゃく」は間違い。
- 着尺は「大人の和服1着分を仕立てるのに必要な反物の長さと幅のこと」の意味。
- 着尺の類義語には、「着丈・羽尺・三幅・並幅」などがある。