さて日常的に使われることはあまりないですが、「里心」という言葉があります。
この里心に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
里心がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは里心の読み方と意味、「さとごころ」と「りしん」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.里心の正しい読み方は「さとごころ」「りしん」?
では里心の正しい読み方は、「さとごころ」「りしん」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、里心の正しい読み方は「さとごころ」になります。
里心の”里”は「さと」「り」と読むことができますが、里心は「さとごころ」と読むのが正しく、「りしん」と読むのは間違いです。
また”心”の読み方は「こころ」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ごころ」という読み方をすることはできません。
里心のように「さとこころ」ではなく、「さとごころ」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
里心であれば、里(さと)+心(こころ)なので、心(後ろの語)の語頭である清音の”こ”が濁音の”ご”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では、連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で里心の意味と類義語について解説していきます。
2.里心の意味と類義語について
では里心の意味と類義語について見ていきましょう。
まず里心は「実家や郷里を恋しく思う心のこと」の意味として用いられています。
里心を用いた例文としては、「心細くて、里心を起こす」や、
「彼女は里心がついて泣いている」のような使い方で用いられています。
また里心の類義語としては、「帰心(きしん)・郷愁(きょうしゅう)・懐郷(かいきょう)・ノスタルジア」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても里心と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「里心の読み方と意味、”さとごころ”と”りしん”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 里心の正しい読み方は「さとごころ」で、「りしん」は間違い。
- 里心は「実家や郷里を恋しく思う心のこと」の意味。
- 里心の類義語には、「帰心・郷愁・懐郷・ノスタルジア」などがある。