結論から言ってしまうと、厄日の正しい読み方は「やくび」になります。
厄日の”日”は「ひ」「にち」「じつ」と読むことができますが、厄日は「やくび」と読むのが正しく、「やくじつ」と読むのは間違いです。
また”日”の読み方は「ひ」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「び」という読み方をすることはできません。
厄日のように「やくひ」ではなく、「やくび」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
厄日であれば、厄(やく)+日(ひ)なので、日(後ろの語)の語頭である清音の”ひ”が濁音の”び”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では、連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で厄日の意味について解説していきます。
厄日は「陰陽道(おんようどう)で、災難に遭う恐れが多いとして、慎むべきだとされる日のこと/悪いことが重なる日のこと/農家で天候による災難が多いとされる日のこと」の意味として用いられています。
「農家で天候による災難が多いとされる日のこと」の意味は、
例えば二百十日(にひゃくとおか)や二百二十日(にひゃくはつか)などがあります。
二百十日は立春から数えて210日目(9月1日頃にあたる)で、
”台風襲来の時期で、稲の開花期にあたるため”農家の厄日とされています。
二百二十日は立春から数えて220日目(9月11日頃にあたる)で、二百十日と同様の理由から、農家の厄日とされています。
厄日を用いた例文としては、「今日はとんだ厄日だった」や、
「厄日だったが農作物に特に影響はない」のような使い方で用いられています。
前者の例文は「悪いことが重なる日のこと」の意味で、
後者の例文は「農家で天候による災難が多いとされる日のこと」の意味で使用しています。
以上が「厄日の読み方と意味、”やくび”と”やくじつ”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど