さて日常的に使われるもので「辺鄙」という言葉があります。
この辺鄙に使用されている漢字(特に”鄙”)は普段あまり見ることはなく、
どのような読み方なのか分からないという人も多いですよね。
そこでこのページでは辺鄙の読み方と意味、「へんこ」と「へんぴ」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.辺鄙の正しい読み方は「へんこ」「へんぴ」?
では辺鄙の正しい読み方は、「へんこ」「へんぴ」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、辺鄙の正しい読み方は「へんぴ」になります。
辺鄙の”鄙”は「ひ」と読むことはできますが、「こ」と読むことはできず、辺鄙を「へんこ」と読むのは間違いです。
また辺鄙の”鄙”の読み方は「ひ」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ぴ」という読み方をすることはできません。
辺鄙のように「へんひ」ではなく、「へんぴ」と変化して読むのは、日本語の「半濁音化(はんだくおんか)」と呼ばれているものです。
半濁音化とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭(ハ行音)がパ行音に変化する現象のこと”を言います。
このパ行音(パ・ピ・プ・ペ・ポ)のことを”半濁音(はんだくおん)”と呼びます。
辺鄙であれば、辺(へん)+鄙(ひ)なので、鄙(後ろの語)の語頭である”ひ”が半濁音の”ぴ”に変化します。
例えば「卵白(らんぱく)」や「分布(ぶんぷ)」は半濁音化なしで読むと、
「らんはく」や「ぶんふ」と読むのが普通です。
もともと”白”には「ぱく」という読み方はないですし、”布”にも「ぷ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では半濁音化によって半濁音(パ行音)に変化するため、
「卵白(らんぱく)」「分布(ぶんぷ)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が半濁音化によって半濁音(パ行音)に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で辺鄙の意味と類義語について解説していきます。
2.辺鄙の意味と類義語について
では辺鄙の意味と類義語について見ていきましょう。
まず辺鄙は「都会から離れていて不便なこと。また、そのさま」の意味として用いられています。
辺鄙を用いた例文としては、「辺鄙な場所にある店」や、
「辺鄙なところへの転勤が決まった」のような使い方で用いられています。
また辺鄙の類義語としては、「田舎(いなか)・辺陬(へんすう)・地方(ちほう)・奥地(おくち)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても辺鄙と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「辺鄙の読み方と意味、”へんこ”と”へんぴ”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 辺鄙の正しい読み方は「へんぴ」で、「へんこ」は間違い。
- 辺鄙は「都会から離れていて不便なこと。また、そのさま」の意味。
- 辺鄙の類義語には、「田舎・辺陬・地方・奥地」などがある。