さて日常的に使われるもので「四天王」という言葉があります。
この四天王に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
四天王がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは四天王の読み方と意味、「してんのう」と「してんおう」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.四天王の正しい読み方は「してんのう」「してんおう」?
では四天王の正しい読み方は、「してんのう」「してんおう」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、四天王の正しい読み方は「してんのう」になります。
四天王の”四”は「よ」「よん」「し」、”天”は「あま」「てん」、”王”は「おう」と読むことができますが、四天王を「してんおう」と読むのは間違いです。
また天王の”王”の読み方は「おう」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「のう」という読み方をすることはできません。
天王のように「てんおう」ではなく、「てんのう」と変化して読むのは、日本語の「連声(れんじょう)」と呼ばれているものです。
連声とは、”ア行(母音)・ヤ行・ワ行で始まる語が、「m」「n」「t」を末尾に持つ語に結びついたとき、発音しやすくするために、後ろの語(ア行・ヤ行・ワ行で始まる語)の語頭がマ行・ナ行・タ行の音に変化する現象のこと”を言います。
天王(てんのう)であれば、天(てん)[ten](「n」を末尾に持つ語)+王(おう)[ou](ア行で始まる語)なので、王(おう)[ou](後ろの語)の語頭である”お”がナ行の音である”の”に変化します。
・天(てん)[ten] + 王(おう)[ou] → 天王(てんのう)[tennou]
例えば「三位(さんみ)」や「銀杏(ぎんなん)」は連声なしで読むと、
「さんい」や「ぎんあん」と読むのが普通です。
・三(さん)[san] + 位(い)[i] → 三位(さんみ)[sanmi]
・銀(ぎん)[gin] + 杏(あん)[an] → 銀杏(ぎんなん)[ginnan]
もともと”位”には「み」という読み方はないですし、”杏”にも「なん」という読み方は存在しません。
ですが日本語では連声によってマ行・ナ行・タ行の音に変化するため、
「三位(さんみ)」「銀杏(ぎんなん)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連声によって、マ行・ナ行・タ行の音に変化するわけではないので注意してください。
次の章で四天王の意味と類義語について解説していきます。
2.四天王の意味と類義語について
では四天王の意味と類義語について見ていきましょう。
まず四天王は「帝釈天(たいしゃくてん)に仕え、仏教を守護するという四柱の神のこと/ある分野や部下・弟子などの中で、最も優れている4人のこと」の意味として用いられています。
前者は、”東方の持国天(じこくてん)、南方の増長天(ぞうちょうてん・ぞうじょうてん)、西方の広目天(こうもくてん)、北方の多聞天(たもんてん)のこと”を指します。
また四天王の類義語としては、「帝釈天(たいしゃくてん)・不動明王(ふどうみょうおう)・仁王(におう)・韋駄天(いだてん)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても四天王と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「四天王の読み方と意味、”してんのう”と”してんおう”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 四天王の正しい読み方は「してんのう」で、「してんおう」は間違い。
- 四天王は「帝釈天に仕え、仏教を守護するという四柱の神のこと/ある分野や部下・弟子などの中で、最も優れている4人のこと」の意味。
- 四天王の類義語には、「帝釈天・不動明王・仁王・韋駄天」などがある。