さて日常的に使われるもので「年俸」という言葉があります。
この年俸に使用されている漢字(特に”俸”)は普段あまり見ることはなく、
どのような読み方なのか分からないという人も多いですよね。
そこでこのページでは年俸の読み方と意味、「ねんぼう」と「ねんぽう」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.年俸の正しい読み方は「ねんぼう」「ねんぽう」?
では年俸の正しい読み方は、「ねんぼう」「ねんぽう」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、年俸の正しい読み方は「ねんぽう」になります。
年俸の”俸”は「ほう」と読むことはできますが、「ぼう」と読むことはできないので、年俸を「ねんぼう」と読むのは間違いです。
年俸の”俸(ほう)”という字は、”棒(ぼう)”という字とよく似ているため注意が必要です。
また年俸の”俸”の読み方は「ほう」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ぽう」という読み方をすることはできません。
年俸のように「ねんほう」ではなく、「ねんぽう」と変化して読むのは、日本語の「半濁音化(はんだくおんか)」と呼ばれているものです。
半濁音化とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭(ハ行音)がパ行音に変化する現象のこと”を言います。
このパ行音(パ・ピ・プ・ペ・ポ)のことを”半濁音(はんだくおん)”と呼びます。
年俸であれば、年(ねん)+俸(ほう)なので、俸(後ろの語)の語頭である”ほ”が半濁音の”ぽ”に変化します。
例えば「卵白(らんぱく)」や「分布(ぶんぷ)」は半濁音化なしで読むと、
「らんはく」や「ぶんふ」と読むのが普通です。
もともと”白”には「ぱく」という読み方はないですし、”布”にも「ぷ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では半濁音化によって半濁音(パ行音)に変化するため、
「卵白(らんぱく)」「分布(ぶんぷ)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が半濁音化によって半濁音(パ行音)に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で年俸の意味と類義語について解説していきます。
2.年俸の意味と類義語について
では年俸の意味と類義語について見ていきましょう。
まず年俸は「1年を単位として定めた給料。年給のこと」の意味として用いられています。
年俸を用いた例文としては、「プロスポーツ選手の年俸は億を超えることもある」や、「彼は年俸3000万円で契約した」のような使い方で用いられています。
年俸の”俸”という字には「給料」というような意味があるので、
これだけでも「1年間の給料(俸)」だから年俸なんだなと理解できますよね。
また一般的なイメージでは年俸制だと残業代が出ないと思われていますが、
年俸制であるのと残業代が発生するかどうかは関係がありません。
労働基準法37条では「時間外労働、休日出勤をした労働者には残業代を支払わなければならない」とされています。
”年俸制=残業代”が出ないというイメージはプロスポーツ選手から来ていますが、
プロスポーツ選手は個人事業主(自営業)で、会社員は労働者として契約しています。
(最近では年俸制の会社も少しずつ増えてきています)
なので個人事業主であるプロスポーツ選手は上の労働基準法には関係なく、会社員は関係あるので年俸制でも残業代は支払われるんですね。
ちなみに年俸の類義語としては、「年収(ねんしゅう)・報酬(ほうしゅう)・俸給(ほうきゅう)・歳費(さいひ)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても年俸と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「年俸の読み方と意味、”ねんぼう”と”ねんぽう”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 年俸の正しい読み方は「ねんぽう」で、「ねんぼう」は間違い。
- 年俸は「1年を単位として定めた給料。年給のこと」の意味。
- プロスポーツ選手は個人事業主なので残業代は出ないが、会社員は年俸制でも労働者扱いなので残業代は発生する。
- 年俸の類義語には、「年収・報酬・俸給・歳費」などがある。