結論から言ってしまうと、小面の正しい読み方は「こおもて」「こづら」になります。
小面の”小”は「ちい(さい)」「しょう」「こ」、”面”は「おもて」「つら」「めん」と読むことができますが、小面を「しょうめん」と読むのは間違いです。
ただ小面は「こおもて」「こづら」のどちらで読むかによって、意味が異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また”面”の読み方は「つら」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「づら」という読み方をすることはできません。
小面のように「こつら」ではなく、「こづら」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
小面であれば、小(こ)+面(つら)なので、面(後ろの語)の語頭である清音の”つ”が濁音の”づ”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では、連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で小面の意味について解説していきます。
※上は小面(こおもて)の写真
小面(こおもて)は「能面のひとつで、若い女を表す面のこと」の意味として用いられています。
能面(のうめん)というのは、能(能楽のこと)に用いる面のことで、
尉面(じょうめん)・姥(うば)・般若(はんにゃ)など多くの種類があります。
小面を「こおもて」と読むと上記のような意味になりますが、「こづら」と読むと「顔つきを卑しめていう語のこと/煉瓦(レンガ)・石材などの面のうち、最小の面のこと」の意味となります。
「顔つきを卑しめていう語」の場合は”小面憎い(こづらにくい)”の形で使われることがほとんどで、小面憎いというのは「顔を見るのも憎らしい」の意味で使われます。
このように小面は「こおもて」「こづら」のどちらで読むかによって、意味が異なるので覚えておきましょう。
以上が「小面の読み方と意味、”こおもて”と”しょうめん”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
<読み間違えやすい漢字の一覧>
<難読漢字の一覧(偏)>