さて日常的に使われるもので「徒口」という言葉があります。
この徒口に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
徒口がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは徒口の読み方と意味、「あだぐち」と「むだぐち」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
１．徒口の正しい読み方は「あだぐち」「むだぐち」？
では徒口の正しい読み方は、「あだぐち」「むだぐち」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、徒口の正しい読み方は「あだぐち」「むだぐち」「あだくち」「ただぐち」「ただくち」になります。
徒口の”徒”は「あだ」「むだ」「ただ」「と」、”口”は「くち」「こう」と読むことができます。
一般的に徒口は「むだぐち」と読むことが多く、「むだぐち」は”無駄口”と書き表されることがほとんどです。
ただ徒口は「あだぐち」「むだぐち」「あだくち」「ただぐち」「ただくち」のどれで読むかによって、意味が異なるので注意が必要です。
（次の章でそれぞれの意味について解説していきます）
また”口”の読み方は「くち」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ぐち」という読み方をすることはできません。
徒口のように「あだくち」「むだくち」「ただくち」ではなく、「あだぐち」「むだぐち」「ただぐち」と濁って読むのは、日本語の「連濁（れんだく）」と呼ばれているものです。
連濁とは、”２つの語が結びついて１つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
徒口であれば、徒（あだ・むだ・ただ）＋口（くち）なので、口（後ろの語）の語頭である清音の”く”が濁音の”ぐ”に変化します。
例えば「手紙（てがみ）」や「綿毛（わたげ）」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では、連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙（てがみ）」「綿毛（わたげ）」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で徒口の意味と類義語について解説していきます。
２．徒口の意味と類義語について
では徒口の意味と類義語について見ていきましょう。
まず徒口（あだぐち、むだぐち、あだくち）は「つまらないおしゃべり。役に立たないおしゃべりのこと」の意味として用いられています。
徒口を「あだぐち」「むだぐち」「あだくち」と読むと上記のような意味になりますが、「ただぐち」「ただくち」と読むと「黙っていること」の意味となります。
このように徒口は「あだぐち」「むだぐち」「あだくち」「ただぐち」「ただくち」のどれで読むかによって、意味が異なるので覚えておきましょう。
また徒口（むだぐち）の類義語としては、「冗語（じょうご）・贅言（ぜいげん）・軽口（かるくち）・過言（かごん）」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても徒口と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「徒口の読み方と意味、”あだぐち”と”むだぐち”正しいのは？」でした。
３．まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 徒口の正しい読み方は「あだぐち」「むだぐち」「あだくち」「ただぐち」「ただくち」のすべて。
- 徒口（あだぐち、むだぐち、あだくち）は「つまらないおしゃべり。役に立たないおしゃべりのこと」の意味。
- 徒口（ただぐち、ただくち）は「黙っていること」の意味。
- 徒口（むだぐち）の類義語には、「冗語・贅言・軽口・過言」などがある。