さて日常的に使われるもので「拱く」という言葉があります。
この拱くに使用されている漢字は普段はあまり見ることはなく、
どのような読み方なのか分からないという人も多いですよね。
そこでこのページでは拱くの読み方と意味、「あまねく」と「こまねく」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.拱くの正しい読み方は「あまねく」「こまねく」?
では拱くの正しい読み方は、「あまねく」「こまねく」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、拱くの正しい読み方は「こまねく」「こまぬく」になります。
拱くの”拱”は「こまぬ(く)」「こまね(く)」「きょう」と読むことはできますが、「あまね(く)」と読むことはできないので、拱くを「あまねく」と読むのは間違いです。
(「あまねく」というのは、”遍く・普く”と書き表されるため注意が必要)
ただ一般的には拱くは「こまねく」と読むことがほとんどです。
もともと拱くは「こまぬく」と読まれていましたが、次第に「こまねく」という読み方に変化していき、一般的に「こまねく」が定着していきました。
次の章で拱くの意味と類義語について解説していきます。
2.拱くの意味と類義語について
では拱くの意味と類義語について見ていきましょう。
まず拱くは「腕組みをすること/(”手を拱く、腕を拱く”の形で)何もしないで傍観(ぼうかん)すること」の意味として用いられています。
傍観というのは、”手を出さずに、ただそばで見ていること。その物事に関係のない立場で見ていること”の意味です。
拱くを用いた例文としては、「手を拱いて待つ」や、
「実力がなく、腕を拱くことしかできなかった」のような使い方で用いられています。
拱くは一般的に後者の意味で使われることがほとんどで、
どちらの例文も「何もしないで傍観すること」の意味で使用しています。
また拱くの類義語としては、「脇目(わきめ)・黙視(もくし)・黙認(もくにん)・静観(せいかん)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても拱くと意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「拱くの読み方と意味、”あまねく”と”こまねく”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 拱くの正しい読み方は「こまねく」「こまぬく」の両方で、「あまねく」は間違い。
- 拱くは「腕組みをすること/(”手を拱く、腕を拱く”の形で)何もしないで傍観すること」の意味。
- 拱くの類義語には、「脇目・黙視・黙認・静観」などがある。