さて日常的に使われるもので「拙宅」という言葉があります。
この拙宅に使用されている漢字(特に”拙))は普段あまり見ることはなく、
どのような読み方なのか分からないという人も多いですよね。
そこでこのページでは拙宅の読み方と意味、「せったく」と「しゅったく」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.拙宅の正しい読み方は「せったく」「しゅったく」?
では拙宅の正しい読み方は、「せったく」「しゅったく」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、拙宅の正しい読み方は「せったく」になります。
拙宅の”拙”は「つたな(い)」「せつ」と読むことはできますが、
「しゅつ」と読むことはできないので、拙宅を「しゅったく」と読むのは間違いです。
また拙宅の”拙”の読み方は「せつ」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「せっ」という読み方をすることはできません。
拙宅のように「せつたく」ではなく、「せったく」と変化して読むのは、日本語の「促音化(そくおんか)」と呼ばれているものです。
促音化とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語(カ行・サ行・タ行・パ行)の前に付いた音が「っ」(これを促音という)に変化する現象のこと”を言います。
拙宅であれば、拙(せつ)+宅(たく)なので、宅(後ろの語)の前に付いた音である”つ”が促音の”っ”に変化します。
例えば「楽器(がっき)」や「切削(せっさく)」は促音化なしで読むと、
「がくき」や「せつさく」と読むのが普通です。
もともと”楽”には「がっ」という読み方はないですし、”切”にも「せっ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では促音化によって促音(「っ」)に変化するため、
「楽(がっ)」「切(せっ)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が促音化によって促音(「っ」)に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で拙宅の意味と類義語について解説していきます。
2.拙宅の意味と類義語について
では拙宅の意味と類義語について見ていきましょう。
まず拙宅は「自分の家を遜(へりくだ)っていう語のこと」の意味として用いられています。
遜るというのは、”相手に敬意を示すために、自分を低いところにおいた表現をすること”です。
拙宅を用いた例文としては、「もしものときは拙宅にお寄りください」や、
「拙宅は駅から歩いて5分ほどです」のような使い方で用いられています。
また拙宅の類義語としては、「当家(とうけ)・私宅(したく)・本宅(ほんたく)・本邸(ほんてい)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても拙宅と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「拙宅の読み方と意味、”せったく”と”しゅったく”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 拙宅の正しい読み方は「せったく」で、「しゅったく」は間違い。
- 拙宅は「自分の家を遜っていう語のこと」の意味。
- 拙宅の類義語には、「当家・私宅・本宅・本邸」などがある。