さて日常的に使われることはほとんどないですが、「行者」という言葉があります。
この行者に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
行者がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは行者の読み方と意味、「ぎょうしゃ」と「ぎょうじゃ」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.行者の正しい読み方は「ぎょうしゃ」「ぎょうじゃ」?
では行者の正しい読み方は、「ぎょうしゃ」「ぎょうじゃ」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、行者の正しい読み方は「ぎょうじゃ」「あんじゃ」になります。
行者の”行”は「い(く)」「こう」「ぎょう」「あん」、”者”は「もの」「しゃ」と読むことができますが、行者を「ぎょうしゃ」と読むのは間違いです。
一般的には行者は「ぎょうじゃ」と読むことがほとんどです。
ただ行者は「ぎょうじゃ」「あんじゃ」のどちらで読むかによって、意味が異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また”者”の読み方は「しゃ」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「じゃ」という読み方をすることはできません。
行者のように「ぎょうしゃ」「あんしゃ」ではなく、「ぎょうじゃ」「あんじゃ」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
行者であれば、行(ぎょう・あん)+者(しゃ)なので、者(後ろの語)の語頭である清音の”しゃ”が濁音の”じゃ”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では、連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で行者の意味と類義語について解説していきます。
2.行者の意味と類義語について
では行者の意味と類義語について見ていきましょう。
まず行者(ぎょうじゃ)は「仏道・修験道(しゅげんどう)の修行をする人のこと」の意味として用いられています。
行者を「ぎょうじゃ」と読むと上記のような意味になりますが、
「あんじゃ」と読むと「禅宗(ぜんしゅう)で、寺内の様々な用務をする者のこと」の意味となります。
このように行者は「ぎょうじゃ」「あんじゃ」のどちらで読むかによって、意味が異なるので覚えておきましょう。
また行者(ぎょうじゃ)の類義語としては、「修行僧(しゅぎょうそう)・求道者(きゅうどうしゃ)・僧侶(そうりょ)・山伏(やまぶし)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても行者と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「行者の読み方と意味、”ぎょうしゃ”と”ぎょうじゃ”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 行者の正しい読み方は「ぎょうじゃ」「あんじゃ」の両方で、「ぎょうしゃ」は間違い。
- 行者(ぎょうじゃ)は「仏道・修験道の修行をする人のこと」の意味。
- 行者(あんじゃ)は「禅宗で、寺内の様々な用務をする者のこと」の意味。
- 行者の類義語には、「修行僧・求道者・僧侶・山伏」などがある。