さて日常的に使われることはあまりないですが、「尚ぶ」という言葉があります。
この尚ぶに用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
尚ぶがどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは尚ぶの読み方と意味、「しょうぶ」と「たっとぶ」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.尚ぶの正しい読み方は「しょうぶ」「たっとぶ」?
では尚ぶの正しい読み方は、「しょうぶ」「たっとぶ」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、尚ぶの正しい読み方は「たっとぶ」「とうとぶ」になります。
尚ぶの”尚”は「たっと(ぶ)」「とうと(ぶ)」「しょう」と読むことができますが、尚ぶを「しょうぶ」と読むのは間違いです。
ただ一般的には尚ぶは「とうとぶ」と読むことが多いです。
次の章で尚ぶの意味と類義語について解説していきます。
2.尚ぶの意味と類義語について
では尚ぶの意味と類義語について見ていきましょう。
まず尚ぶは「大切に扱うこと。重んずること」の意味として用いられています。
「たっとぶ」「とうとぶ」は”尚ぶ”の他にも”尊ぶ・貴ぶ”と書き表されますが、
一般的には”尚ぶ”が使われることはほとんどなく、”尊ぶ・貴ぶ”が用いられます。
そして”尚ぶ・尊ぶ・貴ぶ”はどれも読み方は同じですが、意味合いが少し異なります。
どれも「大切に扱うこと。重んずること」という意味であるのは同じですが、
尚ぶは”高尚(こうしょう)”、尊ぶは”尊敬”、貴ぶは”貴重”の意味合いが強いです。
(高尚というのは、”程度が高く、上品なこと。気高くて立派なこと”)
このようにそれぞれの言葉の意味合いが異なるためしっかりと覚えておきましょう。
尚ぶを用いた例文としては、「彼は武を尚ぶ」や、
「私たちは自国の文化を尚ぶ」のような使い方で用いられています。
つまり前者の例文は”武を(高尚なものとして)重んじている”、
後者の例文は”自国の文化を(高尚なものとして)重んじている”という意味になります。
また尚ぶの類義語としては、「敬意(けいい)・尊重(そんちょう)・畏敬(いけい)・敬服(けいふく)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても尚ぶと意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「尚ぶの読み方と意味、”しょうぶ”と”たっとぶ”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 尚ぶの正しい読み方は「たっとぶ」「とうとぶ」の両方で、「しょうぶ」は間違い。
- 尚ぶは「(高尚)大切に扱うこと。重んずること」の意味。
- 尊ぶは「(尊敬)大切に扱うこと。重んずること」の意味。
- 貴ぶは「(貴重)大切に扱うこと。重んずること」の意味。
- 尚ぶの類義語には、「敬意・尊重・畏敬・敬服」などがある。