さて日常的に使われることはほとんどないですが、「前非」という言葉があります。
この前非に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
前非がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは前非の読み方と意味、「ぜんひ」と「ぜんぴ」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.前非の正しい読み方は「ぜんひ」「ぜんぴ」?
では前非の正しい読み方は、「ぜんひ」「ぜんぴ」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、前非の正しい読み方は「ぜんぴ」になります。
前非の”非”は「あら(ず)」「ひ」と読むことができますが、
前非は「ぜんぴ」と読むのが正しく、「ぜんひ」と読むのは間違いです。
また前非の”非”の読み方は「ひ」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ぴ」という読み方をすることはできません。
前非のように「ぜんひ」ではなく、「ぜんぴ」と変化して読むのは、日本語の「半濁音化(はんだくおんか)」と呼ばれているものです。
半濁音化とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭(ハ行音)がパ行音に変化する現象のこと”を言います。
このパ行音(パ・ピ・プ・ペ・ポ)のことを”半濁音(はんだくおん)”と呼びます。
前非であれば、前(ぜん)+非(ひ)なので、非(後ろの語)の語頭である”ひ”が半濁音の”ぴ”に変化します。
例えば「卵白(らんぱく)」や「分布(ぶんぷ)」は半濁音化なしで読むと、
「らんはく」や「ぶんふ」と読むのが普通です。
もともと”白”には「ぱく」という読み方はないですし、”布”にも「ぷ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では半濁音化によって半濁音(パ行音)に変化するため、
「卵白(らんぱく)」「分布(ぶんぷ)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が半濁音化によって半濁音(パ行音)に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で前非の意味と類義語について解説していきます。
2.前非の意味と類義語について
では前非の意味と類義語について見ていきましょう。
まず前非は「以前に犯した過ち。昔の悪事のこと」の意味として用いられています。
前非を用いた例文としては、「前非を悔い改める」や、
「前非の罪滅ぼしをする」のような使い方で用いられています。
また前非の類義語としては、「悪行(あくぎょう)・不祥事(ふしょうじ)・悪業(あくごう)・黒歴史(くろれきし)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても前非と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「前非の読み方と意味、”ぜんひ”と”ぜんぴ”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 前非の正しい読み方は「ぜんぴ」で、「ぜんひ」は間違い。
- 前非は「以前に犯した過ち。昔の悪事のこと」の意味。
- 前非の類義語には、「悪行・不祥事・悪業・黒歴史」などがある。