結論から言ってしまうと、酒粕の正しい読み方は「さけかす」「さかがす」「さかかす」になります。
酒粕の”酒”は「さけ」「さか」「しゅ」、”粕”は「かす」「はく」と読むことができます。
ただ一般的には酒粕は「さけかす」と読むことが多いです。
また”粕”の読み方は「かす」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「がす」という読み方をすることはできません。
酒粕のように「さかかす」ではなく、「さかがす」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
酒粕であれば、酒(さか)+粕(かす)なので、粕(後ろの語)の語頭である清音の”か”が濁音の”が”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では、連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で酒粕の意味について解説していきます。
酒粕は「清酒の醸造の際に、醪(もろみ)を搾った後に残るカスのこと」の意味として用いられています。
醪(もろみ)というのは、”酒・醤油などの醸造において、原料を混合して発酵させたドロドロの液体のこと”を言います。
この醪を濾(こ)さずにそのまま飲み物としたものを”どぶろく”と言い、
どぶろくは醪をそのまま飲むため”醪酒(もろみざけ)”とも呼ばれています。
※上はどぶろくの写真
どぶろくは原料となっている米・米麹(こめこうじ)が濾されずに残っているため、白濁しています。
その白濁した醪(=どぶろく)を濾したものが日本酒となり、醪の液体以外の部分(カス)が酒粕となります。
以上が「酒粕の読み方と意味、”さけかす”と”さかがす”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど