さて日常的に使われることはあまりないですが、「筆致」という言葉があります。
この筆致に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
筆致がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは筆致の読み方と意味、「ひっし」と「ひっち」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.筆致の正しい読み方は「ひっし」「ひっち」?
では筆致の正しい読み方は、「ひっし」「ひっち」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、筆致の正しい読み方は「ひっち」になります。
筆致の”筆”は「ふで」「ひつ」、”致”は「いた(す)」「ち」と読むことはできますが、”致”は「し」と読むことはできないので、筆致を「ひっし」と読むのは間違いです。
筆致の”致(ち)”という字は、”至(し)”という字に似ているため注意が必要です。
また筆致の”筆”の読み方は「ひつ」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ひっ」という読み方をすることはできません。
筆致のように「ひつち」ではなく、「ひっち」と変化して読むのは、日本語の「促音化(そくおんか)」と呼ばれているものです。
促音化とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語(カ行・サ行・タ行・パ行)の前に付いた音が「っ」(これを促音という)に変化する現象のこと”を言います。
筆致であれば、筆(ひつ)+致(ち)なので、致(後ろの語)の前に付いた音である”つ”が促音の”っ”に変化します。
例えば「楽器(がっき)」や「切削(せっさく)」は促音化なしで読むと、
「がくき」や「せつさく」と読むのが普通です。
もともと”楽”には「がっ」という読み方はないですし、”切”にも「せっ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では促音化によって促音(「っ」)に変化するため、
「楽(がっ)」「切(せっ)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が促音化によって促音(「っ」)に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で筆致の意味と類義語について解説していきます。
2.筆致の意味と類義語について
では筆致の意味と類義語について見ていきましょう。
まず筆致は「書画・文章などの書きぶりのこと」の意味として用いられています。
筆致を用いた例文としては、「なかなか繊細な筆致だ」や、
「彼の筆致には勢いがある」のような使い方で用いられています。
また筆致の類義語としては、「筆意(ひつい)・書風(しょふう)・風致(ふうち)・書体(しょたい)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても筆致と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「筆致の読み方と意味、”ひっし”と”ひっち”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 筆致の正しい読み方は「ひっち」で、「ひっし」は間違い。
- 筆致は「書画・文章などの書きぶりのこと」の意味。
- 筆致の類義語には、「筆意・書風・風致・書体」などがある。