さて日常的に使われることはほとんどないですが、「発句」という言葉があります。
この発句に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
発句がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは発句の読み方と意味、「はっく」と「ほっく」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.発句の正しい読み方は「はっく」「ほっく」?
では発句の正しい読み方は、「はっく」「ほっく」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、発句の正しい読み方は「はっく」「ほっく」の両方になります。
発句の”発”は「はつ」「ほつ」と読むことができます。
一般的には発句は「ほっく」と読むことが多いです。
ただ発句は「はっく」「ほっく」のどちらで読むかによって、意味が少し異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また発句の”発”の読み方は「はつ」「ほつ」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「はっ」「ほっ」という読み方をすることはできません。
発句のように「はつく」「ほつく」ではなく、「はっく」「ほっく」と変化して読むのは、日本語の「促音化(そくおんか)」と呼ばれているものです。
促音化とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語(カ行・サ行・タ行・パ行)の前に付いた音が「っ」(これを促音という)に変化する現象のこと”を言います。
発句であれば、発(はつ・ほつ)+句(く)なので、句(後ろの語)の前に付いた音である”つ”が促音の”っ”に変化します。
例えば「楽器(がっき)」や「切削(せっさく)」は促音化なしで読むと、
「がくき」や「せつさく」と読むのが普通です。
もともと”楽”には「がっ」という読み方はないですし、”切”にも「せっ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では促音化によって促音(「っ」)に変化するため、
「楽(がっ)」「切(せっ)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が促音化によって促音(「っ」)に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で発句の意味と類義語について解説していきます。
2.発句の意味と類義語について
では発句の意味と類義語について見ていきましょう。
まず発句(はっく)は「律詩の第1・2句。起句のこと/連歌・連句の第1句のこと/俳句のこと」の意味として用いられています。
発句を「はっく」と読むと上記のような意味になりますが、
「ほっく」と読むと「連歌・連句の第1句/俳句」の意味のみとなります。
連歌・連句の第1句(5・7・5の17音から成る句)が、独立した短詩形として単独で作られたものが俳句になります。
このように発句は「はっく」「ほっく」のどちらで読むかによって、意味が少し異なるので覚えておきましょう。
また発句の類義語としては、「俳句(はいく)・川柳(せんりゅう)・短歌(たんか)・結句(けっく)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても発句と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「発句の読み方と意味、”はっく”と”ほっく”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 発句の正しい読み方は「はっく」「ほっく」の両方。
- 発句(はっく)は「律詩の第1・2句。起句のこと/連歌・連句の第1句のこと/俳句のこと」の意味。
- 発句(ほっく)は「連歌・連句の第1句のこと/俳句のこと」の意味。
- 発句の類義語には、「俳句・川柳・短歌・結句」などがある。