さて日常的に使われるもので「濃餅汁」という言葉があります。
この濃餅汁に使用されている漢字(特に”餅”)は普段あまり見ることはなく、
どのような読み方なのか分からないという人も多いですよね。
そこでこのページでは濃餅汁の読み方と意味、「のっぺいじる」と「のうへいじる」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.濃餅汁の正しい読み方は「のっぺいじる」「のうへいじる」?
では濃餅汁の正しい読み方は、「のっぺいじる」「のうへいじる」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、濃餅汁の正しい読み方は「のっぺいじる」になります。
濃餅汁の”濃”は「こ(い)」「のう」、”餅”は「もち」「へい」、”汁”は「しる」(連濁により「じる」)と読むことができますが、濃餅汁を「のうへいじる」と読むのは間違いです。
(連濁とは、2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと)
また濃餅を「のっぺい」と読むのは、日本語の”促音化(そくおんか)+半濁音化(はんだくおんか)”によるものです。
濃餅の”濃”の読み方は「のう」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「のっ」という読み方をすることはできません。
濃餅のように「のうぺい」ではなく、「のっぺい」と変化して読むのは、日本語の「促音化(そくおんか)」と呼ばれているものです。
(”餅”を「ぺい」と読むのは半濁音化によるもので、少し後に解説しています)
促音化とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語(カ行・サ行・タ行・パ行)の前に付いた音が「っ」(これを促音という)に変化する現象のこと”を言います。
濃餅であれば、濃(のう)+餅(ぺい)なので、餅(後ろの語)の前に付いた音である”う”が促音の”っ”に変化します。
そして濃餅の”餅”の読み方は「へい」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ぺい」という読み方をすることはできません。
濃餅のように「のっへい」ではなく、「のっぺい」と変化して読むのは、日本語の「半濁音化(はんだくおんか)」と呼ばれているものです。
半濁音化とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭(ハ行音)がパ行音に変化する現象のこと”を言います。
このパ行音(パ・ピ・プ・ペ・ポ)のことを”半濁音(はんだくおん)”と呼びます。
濃餅であれば、濃(のっ)+餅(へい)なので、餅(後ろの語)の語頭である”へ”が半濁音の”ぺ”に変化します。
このように日本語の”促音化+半濁音化”によって濃餅を「のっぺい」と読んでいます。
次の章で濃餅汁の意味と類義語について解説していきます。
2.濃餅汁の意味と類義語について
では濃餅汁の意味と類義語について見ていきましょう。
まず濃餅汁は「油揚げ・椎茸(しいたけ)・人参(にんじん)・里芋(さといも)・大根などを煮込み、塩・醤油などで味付けをし、片栗粉・葛粉(くずこ)などでとろみを付けた汁のこと」の意味として用いられています。
濃餅汁は新潟県の郷土料理として有名ですが、実は全国各地に伝わる郷土料理になります。
また濃餅汁の類義語としては、「清汁(すまし)・味噌汁(みそしる)・豚汁(とんじる)・水団(すいとん)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても濃餅汁と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「濃餅汁の読み方と意味、”のっぺいじる”と”のうへいじる”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 濃餅汁の正しい読み方は「のっぺいじる」で、「のうへいじる」は間違い。
- 濃餅汁は「油揚げ・椎茸・人参・里芋・大根などを煮込み、塩・醤油などで味付けをし、片栗粉・葛粉などでとろみを付けた汁のこと」の意味。
- 濃餅汁の類義語には、「清汁・味噌汁・豚汁・水団」などがある。