さて日常的に使われることはあまりないですが、「出仕」という言葉があります。
この出仕に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
出仕がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは出仕の読み方と意味、「しゅっし」と「しゅつじ」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.出仕の正しい読み方は「しゅっし」「しゅつじ」?
では出仕の正しい読み方は、「しゅっし」「しゅつじ」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、出仕の正しい読み方は「しゅっし」になります。
出仕の”出”は「で(る)」「しゅつ」、”仕”は「つか(える)」「し」「じ」と読むことができますが、出仕は「しゅっし」と読むのが正しく、「しゅつじ」と読むのは間違いです。
「しゅつじ」というのは、”出自(しゅつじ)”と書き表されるため注意が必要です。
また出仕の”出”の読み方は「しゅつ」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「しゅっ」という読み方をすることはできません。
出仕のように「しゅつし」ではなく、「しゅっし」と変化して読むのは、日本語の「促音化(そくおんか)」と呼ばれているものです。
促音化とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語(カ行・サ行・タ行・パ行)の前に付いた音が「っ」(これを促音という)に変化する現象のこと”を言います。
出仕であれば、出(しゅつ)+仕(し)なので、仕(後ろの語)の前に付いた音である”つ”が促音の”っ”に変化します。
例えば「楽器(がっき)」や「切削(せっさく)」は促音化なしで読むと、
「がくき」や「せつさく」と読むのが普通です。
もともと”楽”には「がっ」という読み方はないですし、”切”にも「せっ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では促音化によって促音(「っ」)に変化するため、
「楽(がっ)」「切(せっ)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が促音化によって促音(「っ」)に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で出仕の意味と類義語について解説していきます。
2.出仕の意味と類義語について
では出仕の意味と類義語について見ていきましょう。
まず出仕は「勤務に出ること/官職に就き、官に仕えること」の意味として用いられています。
官(かん)というのは、”政府や国または、それらが執行している機関のこと”を指しています。
また出仕の類義語としては、「出社(しゅっしゃ)・通勤(つうきん)・赴任(ふにん)・出動(しゅつどう)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても出仕と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「出仕の読み方と意味、”しゅっし”と”しゅつじ”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 出仕の正しい読み方は「しゅっし」で、「しゅつじ」は間違い。
- 出仕は「勤務に出ること/官職に就き、官に仕えること」の意味。
- 出仕の類義語には、「出社・通勤・赴任・出動」などがある。