さて日常的に使われることはあまりないですが、「屯所」という言葉があります。
この屯所に使用されている漢字(特に”屯”)は普段あまり見ることはなく、
どのような読み方なのか分からないという人も多いですよね。
そこでこのページでは屯所の読み方と意味、「とんしょ」と「ちゅうしょ」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.屯所の正しい読み方は「とんしょ」「ちゅうしょ」?
では屯所の正しい読み方は、「とんしょ」「ちゅうしょ」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、屯所の正しい読み方は「とんしょ」「たむろじょ」になります。
屯所の”屯”は「たむろ」「とん」、”所”は「ところ」「しょ」と読むことはできますが、”屯”は「ちゅう」と読むことはできないので、屯所を「ちゅうしょ」と読むのは間違いです。
一般的には屯所は「とんしょ」と読むことがほとんどです。
ただ屯所は「とんしょ」「たむろじょ」のどちらで読むかによって、意味が少し異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また”所”の読み方は「しょ」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「じょ」という読み方をすることはできません。
屯所のように「たむろしょ」ではなく、「たむろじょ」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
屯所であれば、屯(たむろ)+所(しょ)なので、所(後ろの語)の語頭である清音の”しょ”が濁音の”じょ”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で屯所の意味と類義語について解説していきます。
2.屯所の意味と類義語について
では屯所の意味と類義語について見ていきましょう。
まず屯所(とんしょ)は「兵士などが詰めている所のこと/明治初めの警察署の名称のこと」の意味として用いられています。
屯所を「とんしょ」と読むと上記のような意味になりますが、
「たむろじょ」と読むと「兵士などが詰めている所のこと」の意味のみとなります。
このように屯所は「とんしょ」「たむろじょ」のどちらで読むかによって、意味が少し異なるので覚えておきましょう。
また屯所の類義語としては、「兵舎(へいしゃ)・陣営(じんえい)・駐屯地(ちゅうとんち)・駐在所(ちゅうざいしょ)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても屯所と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「屯所の読み方と意味、”とんしょ”と”ちゅうしょ”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 屯所の正しい読み方は「とんしょ」「たむろじょ」の両方で、「ちゅうしょ」は間違い。
- 屯所(とんしょ)は「兵士などが詰めている所のこと/明治初めの警察署の名称のこと」の意味。
- 屯所(たむろじょ)は「兵士などが詰めている所のこと」の意味。
- 屯所の類義語には、「兵舎・陣営・駐屯地・駐在所」などがある。