結論から言ってしまうと、間尺の正しい読み方は「ましゃく」「けんじゃく」になります。
間尺の”間”は「あいだ」「ま」「かん」「けん」と読むことができますが、
間尺は「ましゃく」「けんじゃく」と読むのが正しく、「まじゃく」「かんしゃく」と読むのは間違いです。
一般的には間尺は「ましゃく」と読むことがほとんどです。
ただ間尺は「ましゃく」「けんじゃく」のどちらで読むかによって、意味が異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また”尺”の読み方は「しゃく」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「じゃく」という読み方をすることはできません。
間尺のように「けんしゃく」ではなく、「けんじゃく」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
間尺であれば、間(けん)+尺(しゃく)なので、尺(後ろの語)の語頭である清音の”しゃ”が濁音の”じゃ”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で間尺の意味について解説していきます。
間尺(ましゃく)は「建築物などの寸法のこと/計算。割合のこと」の意味として用いられています。
間尺を「ましゃく」と読むと上記のような意味になりますが、
「けんじゃく」と読むと「1間ごとに印を付けた測量用の縄のこと」の意味となります。
1間(けん)というのは、尺貫法(しゃっかんほう)による長さの単位のことで、”1間=1.8メートル”のことです。
このように間尺は「ましゃく」「けんじゃく」のどちらで読むかによって、意味が異なるので覚えておきましょう。
間尺を用いたもので”間尺(ましゃく)に合わない”という慣用句がありますが、これは「割に合わない。損をする」の意味となります。
尺貫法による長さの単位で「間(けん)」と「尺(しゃく)」があり、
本来は間(けん)と尺(しゃく)が合わない、つまり”寸法が合わない”という意味で使われていました。
ですが”寸法が合わない ⇒ 計算が合わない ⇒ 割に合わない”の意味に少しずつ変化し、いま現在では「割に合わない」の意味で使われるようになりました。
以上が「間尺の読み方と意味、”まじゃく”と”かんしゃく”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど