このページでは遠方の読み方と意味、「とうほう」と「えんぽう」どちらが正しいのかを解説しています。

 

 

 

1.遠方の正しい読み方は「とうほう」「えんぽう」?

 

結論から言ってしまうと、遠方の正しい読み方は「えんぽう」「おちかた」になります

 

遠方の”遠”は「とお(い)」「えん」「おち」、”方”は「かた」「ほう」と読むことができますが、”遠”は「とう」と読むことはできないので、遠方を「とうほう」と読むのは間違いです。

 

 

 

ただ一般的には遠方は「えんぽう」と読むことがほとんどです。

 

遠方を「とうほう」と読んでしまうと、”東方(とうほう)”や”当方(とうほう)”と間違えられてしまうため注意が必要です。

 

 

 

また遠方の”方”の読み方は「ほう」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ぽう」という読み方をすることはできません。

 

遠方のように「えんほう」ではなく、「えんぽう」と変化して読むのは、日本語の「半濁音化(はんだくおんか)」と呼ばれているものです

 

 

半濁音化とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭(ハ行音)がパ行音に変化する現象のこと”を言います。

 

このパ行音(パ・ピ・プ・ペ・ポ)のことを”半濁音(はんだくおん)”と呼びます。

 

遠方であれば、遠(えん)+方(ほう)なので、方(後ろの語)の語頭である”ほ”が半濁音の”ぽ”に変化します。

 

 

 

例えば「卵白(らんぱく)」や「分布(ぶんぷ)」は半濁音化なしで読むと、
「らんはく」や「ぶんふ」と読むのが普通です。

 

もともと”白”には「ぱく」という読み方はないですし、”布”にも「ぷ」という読み方は存在しません

 

 

ですが日本語では半濁音化によって半濁音(パ行音)に変化するため、
「卵白(らんぱく)」「分布(ぶんぷ)」と変化させて読んでいるのです。

 

ただすべての言葉が半濁音化によって半濁音(パ行音)に変化するわけではないので、注意してください。

 

 

次の章で遠方の意味と類義語について解説していきます。

 

2.遠方の意味と類義語について

 

遠方は「遠くの方。遠い所のこと」の意味として用いられています。

 

 

遠方を用いた例文としては、「遠方に見える」や、
「遠方から来ました」のような使い方で用いられています。

 

 

 

また遠方の類義語としては、「遠隔(えんかく)・異境(いきょう)・万里(ばんり)・彼方(かなた)」などの言葉が挙げられます

 

どの言葉についても遠方と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。

 

 

以上が「遠方の読み方と意味、”とうほう”と”えんぽう”正しいのは?」でした。

 

 

3.まとめ

これまで説明したことをまとめますと、

  • 遠方の正しい読み方は「えんぽう」「おちかた」の両方で、「とうほう」は間違い。
  • 遠方は「遠くの方。遠い所のこと」の意味。
  • 遠方の類義語には、「遠隔・異境・万里・彼方」などがある。

 

 

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