さて日常的に使われるもので「遠方」という言葉があります。
この遠方に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
遠方がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは遠方の読み方と意味、「とうほう」と「えんぽう」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
では遠方の正しい読み方は、「とうほう」「えんぽう」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、遠方の正しい読み方は「えんぽう」「おちかた」になります。
遠方の”遠”は「とお(い)」「えん」「おち」、”方”は「かた」「ほう」と読むことができますが、”遠”は「とう」と読むことはできないので、遠方を「とうほう」と読むのは間違いです。
ただ一般的には遠方は「えんぽう」と読むことがほとんどです。
遠方を「とうほう」と読んでしまうと、”東方(とうほう)”や”当方(とうほう)”と間違えられてしまうため注意が必要です。
また遠方の”方”の読み方は「ほう」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ぽう」という読み方をすることはできません。
遠方のように「えんほう」ではなく、「えんぽう」と変化して読むのは、日本語の「半濁音化(はんだくおんか)」と呼ばれているものです。
半濁音化とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭(ハ行音)がパ行音に変化する現象のこと”を言います。
このパ行音(パ・ピ・プ・ペ・ポ)のことを”半濁音(はんだくおん)”と呼びます。
遠方であれば、遠(えん)+方(ほう)なので、方(後ろの語)の語頭である”ほ”が半濁音の”ぽ”に変化します。
例えば「卵白(らんぱく)」や「分布(ぶんぷ)」は半濁音化なしで読むと、
「らんはく」や「ぶんふ」と読むのが普通です。
もともと”白”には「ぱく」という読み方はないですし、”布”にも「ぷ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では半濁音化によって半濁音(パ行音)に変化するため、
「卵白(らんぱく)」「分布(ぶんぷ)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が半濁音化によって半濁音(パ行音)に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で遠方の意味と類義語について解説していきます。
これまで説明したことをまとめますと、