さて日常的に使われることはあまりないですが、「仏心」という言葉があります。
この仏心に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
仏心がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは仏心の読み方と意味、「ぶっしん」と「ほとけごころ」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.仏心の正しい読み方は「ぶっしん」「ほとけごころ」?
では仏心の正しい読み方は、「ぶっしん」「ほとけごころ」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、仏心の正しい読み方は「ぶっしん」「ほとけごころ」の両方になります。
仏心の”仏”は「ほとけ」「ぶつ」(促音化により「ぶっ」)、”心”は「こころ」「しん」と読むことができます。
(促音化とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語(カ行・サ行・タ行・パ行)の前に付いた音が「っ」(促音)に変化する現象のこと)
一般的には仏心は「ぶっしん」と読むことが多いです。
ただ仏心は「ぶっしん」「ほとけごころ」のどちらで読むかによって、意味が少し異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また”心”の読み方は「こころ」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ごころ」という読み方をすることはできません。
仏心のように「ほとけこころ」ではなく、「ほとけごころ」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
仏心であれば、仏(ほとけ)+心(こころ)なので、心(後ろの語)の語頭である清音の”こ”が濁音の”ご”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で仏心の意味と類義語について解説していきます。
2.仏心の意味と類義語について
では仏心の意味と類義語について見ていきましょう。
まず仏心(ぶっしん)は「仏のように慈悲深い心のこと/全ての生き物が生まれながらに持っている、仏となることのできる性質のこと」の意味として用いられています。
仏心を「ぶっしん」と読むと上記のような意味となりますが、
「ほとけごころ」と読むと「仏のように慈悲深い心」の意味のみとなります。
このように仏心は「ぶっしん」「ほとけごころ」のどちらで読むかによって、意味が少し異なるので覚えておきましょう。
また仏心の類義語としては、「善心(ぜんしん)・善意(ぜんい)・厚意(こうい)・人情(にんじょう)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても仏心と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「仏心の読み方と意味、”ぶっしん”と”ほとけごころ”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 仏心の正しい読み方は「ぶっしん」「ほとけごころ」の両方。
- 仏心(ぶっしん)は「仏のように慈悲深い心のこと/全ての生き物が生まれながらに持っている、仏となることのできる性質のこと」の意味。
- 仏心(ほとけごころ)は「仏のように慈悲深い心のこと」の意味。
- 仏心の類義語には、「善心・善意・厚意・人情」などがある。