さて日常的に使われるもので「公事」という言葉があります。
この公事に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
公事がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは公事の読み方と意味、「くじ」と「こうじ」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
１．公事の正しい読み方は「くじ」「こうじ」？
では公事の正しい読み方は、「くじ」「こうじ」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、公事の正しい読み方は「くじ」「こうじ」「おおやけごと」になります。
公事の”公”は「おおやけ」「こう」「く」、”事”は「こと」「じ」と読むことができます。
ただ公事は「くじ」「こうじ」「おおやけごと」のどれで読むかによって、意味が少し異なるので注意が必要です。
（次の章でそれぞれの意味について解説していきます）
また”事”の読み方は「こと」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ごと」という読み方をすることはできません。
公事のように「おおやけこと」ではなく、「おおやけごと」と濁って読むのは、日本語の「連濁（れんだく）」と呼ばれているものです。
連濁とは、”２つの語が結びついて１つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
公事であれば、公（おおやけ）＋事（こと）なので、事（後ろの語）の語頭である清音の”こ”が濁音の”ご”に変化します。
例えば「手紙（てがみ）」や「綿毛（わたげ）」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙（てがみ）」「綿毛（わたげ）」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で公事の意味と類義語について解説していきます。
２．公事の意味と類義語について
では公事の意味と類義語について見ていきましょう。
まず公事（くじ）は「政府・官庁などの公（おおやけ）の仕事のこと/朝廷の政務・儀式のこと/訴訟のこと/租・庸・調・課役（かえき）などの税の総称のこと」の意味として用いられています。
租・庸・調・課役というのは、昔（律令制）における税の名称のことです。
公事を「くじ」と読むと上記のような意味になりますが、
「こうじ」「おおやけごと」と読むとそれぞれ下記のような意味となります。
公事を「こうじ」と読むと「政府・官庁などの公の仕事のこと/公共に関する事柄のこと」の意味、「おおやけごと」と読むと「朝廷の政務・儀式のこと/私事ではなく、公式に定まっていること」の意味となります。
このように公事は「くじ」「こうじ」「おおやけごと」のどれで読むかによって、意味が少し異なるので覚えておきましょう。
また公事の類義語としては、「公務（こうむ）・公用（こうよう）・官職（かんしょく）・政務（せいむ）」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても公事と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「公事の読み方と意味、”くじ”と”こうじ”正しいのは？」でした。
３．まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 公事の正しい読み方は「くじ」「こうじ」「おおやけごと」。
- 公事（くじ）は「政府・官庁などの公の仕事のこと/朝廷の政務・儀式のこと/訴訟のこと/租・庸・調・課役などの税の総称のこと」の意味。
- 公事（こうじ）は「政府・官庁などの公の仕事のこと/公共に関する事柄のこと」の意味。
- 公事（おおやけごと）は「朝廷の政務・儀式のこと/私事ではなく、公式に定まっていること」の意味。
- 公事の類義語には、「公務・公用・官職・政務」などがある。