さて日常的に使われることはあまりないですが、「溢水」という言葉があります。
この溢水に使用されている漢字(特に”溢”)は普段あまり見ることはなく、
どのような読み方なのか分からないという人も多いですよね。
そこでこのページでは溢水の読み方と意味、「いっすい」と「せんすい」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.溢水の正しい読み方は「いっすい」「せんすい」?
では溢水の正しい読み方は、「いっすい」「せんすい」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、溢水の正しい読み方は「いっすい」になります。
溢水の”溢”という字は「あふ(れる)」「いつ」と読むことはできますが、
「せん」と読むことはできないので、溢水を「せんすい」と読むのは間違いです。
また溢水の”溢”の読み方は「いつ」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「いっ」という読み方をすることはできません。
溢水のように「いつすい」ではなく、「いっすい」と変化して読むのは、日本語の「促音化(そくおんか)」と呼ばれているものです。
促音化とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語(カ行・サ行・タ行・パ行)の前に付いた音が「っ」(これを促音という)に変化する現象のこと”を言います。
溢水であれば、溢(いつ)+水(すい)なので、水(後ろの語)の前に付いた音である”つ”が促音の”っ”に変化します。
例えば「楽器(がっき)」や「切削(せっさく)」は促音化なしで読むと、
「がくき」や「せつさく」と読むのが普通です。
もともと”楽”には「がっ」という読み方はないですし、”切”にも「せっ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では促音化によって促音(「っ」)に変化するため、
「楽(がっ)」「切(せっ)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が促音化によって促音(「っ」)に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で溢水の意味と類義語について解説していきます。
2.溢水の意味と類義語について
では溢水の意味と類義語について見ていきましょう。
まず溢水は「水が溢れでること。また、溢れさせること」の意味として用いられています。
溢水を用いた例文としては、「溢水域に苗木を植える」や、
「溢水を防止する機能がある」のような使い方で用いられています。
また溢水の類義語としては、「洪水(こうずい)・増水(ぞうすい)・氾濫(はんらん)・決水(けっすい)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても溢水と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「溢水の読み方と意味、”いっすい”と”せんすい”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 溢水の正しい読み方は「いっすい」で、「せんすい」は間違い。
- 溢水は「水が溢れでること。また、溢れさせること」の意味。
- 溢水の類義語には、「洪水・増水・氾濫・決水」などがある。