さてあなたは溶媒と溶質と溶液という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
日常的によく使用されている言葉ではありませんが、
学校で理科の授業などを受けていれば割と頻繁に出てきますよね。
これらはそれぞれ”溶ける”という漢字が使用されていて、
言葉自体が似ているので違いがよく分からないという人も多いはずです。
そこでこのページでは、溶媒と溶質と溶液の違いを簡単に解説します。
どうぞご覧ください。
1.溶媒と溶質と溶液の違いとは?
では溶媒と溶質と溶液の違いについて見ていきましょう。
溶媒と溶質と溶液はそれぞれ下記のようになります。
・溶媒(ようばい)とは、溶かしている液体のこと。
※溶媒の覚え方については後ほど解説します。
・溶質(ようしつ)とは、溶けている物質のこと。
・溶液(ようえき)とは、溶媒に溶質がとけてできた液体のこと。
なのでこれらを”食塩水”を例にして、簡単な図にしてみると下のようになります。
上図のように、溶媒(水)に溶質(食塩)がとけてできた液体が溶液(食塩水)になります。
水溶液(すいようえき)という言葉も聞いたことがあると思いますが、
水溶液は溶液でも特に水に物質を溶かした場合のみのことを言います。
なので水溶液は溶液の中のひとつの種類と言っても良いでしょう。
さて溶媒の覚え方についてですが、溶質や溶液と違って少し覚えにくいですよね。
溶媒の覚え方としては、”(溶質を)溶かす媒体”と覚えてください。
媒体(ばいたい)というのは”仲立ち”のような意味があり、
言い換えればあるものと他のものを繋ぎ合わせるということです。
例えば物質Aと物質Bを水に溶かすと、
それぞれの物質が水に溶けて○○水みたいになります。
ということは水と物質Aと物質Bが合体してひとつの液体になったということ。
つまりこれは水の働きによって、それぞれの物質が繋ぎ合わされたってことです。
水がなければ物質Aと物質Bは合体せずに別個のままですが、
水のような溶かす媒体が存在すればそれぞれの物質を繋ぐことができます。
このようなことから溶質を溶かす媒体ということで、溶媒という言葉が使われています。
また溶媒は水やアルコールのような液体に限りますが、
溶質については溶ける物質であれば何でも良いので固体である必要はありません。
なので溶質は液体や気体ということもあり得ます。
例えば普通に市販されているチューハイ・ビール・ワインなどについては、
アルコール度数的には低くて3%から高くても20%ぐらいです。
これはビールやワインの全体的な割合から言えば、
多くてもアルコールは全体の5分の1程度しか含まれていません。
アルコール以外にも麦や果実の成分など少なからず含まれてはいますが、
お酒のほとんどを占めているのが水分....つまり水(液体)になります。
そして溶媒と溶質が液体同士のときは、
量が多い液体に量が少ない液体が溶けることになります。
ということでこの場合は溶媒が水で、溶質がアルコールなどの成分になるわけです。
ちなみにスピリタスというアルコール度数96%のお酒がありますが、
これについてはほとんどの成分がアルコールで占められています。
ですのでスピリタスの場合には溶媒がアルコールで、溶質が水などの成分になります。
以上が「溶媒と溶質と溶液の違いとは?」でした。
2.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 溶媒とは、溶かす液体のこと(または溶質を溶かす媒体)。
- 溶質とは、溶けている物質のこと。
- 溶液とは、溶媒に溶質がとけてできた液体のこと。