結論から言ってしまうと、天下の正しい読み方は「てんが」「てんげ」「てんか」になります。
天下の”下”は「した」「か」「げ」と読むことができます。
ただ一般的には天下は「てんか」と読むことがほとんどです。
また”下”の読み方は「か」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「が」という読み方をすることはできません。
天下のように「てんか」ではなく、「てんが」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
天下であれば、天(てん)+下(か)なので、下(後ろの語)の語頭である清音の”か”が濁音の”が”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では、連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で天下の意味について解説していきます。
天下は「天の下に広がる全空間。世界中/一国全体/世間。世の中/国を支配する権力/思いのままにふるまうこと/(”天下の”の形で)他に並ぶもののないこと/江戸時代の将軍」の意味として用いられています。
”天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがそくそん)”という言葉がありますが、
これは釈迦(しゃか)が誕生した際、他の人々から褒め称えられたときに釈迦が言ったとされる言葉です。
「この世界で自分よりも偉い者はいない」のような意味で用いられることも多いですが、
”我”には自分以外にも我々や私たちという意味もあり、「この世界のすべて(私たち一人一人)が尊い」の意味で用いられることもあります。
(「てんじょうてんが」と読むこともありますが、一般的には「てんじょうてんげ」と読むことが多いです)
天下を用いた例文としては、「天下を二分する戦い」や、
「天下一品のサービスの良さ」のような使い方で用いられています。
前者の例文は「一国全体のこと」の意味で、
後者の例文は「他に並ぶもののないこと」の意味で使用しています。
以上が「天下の読み方と意味、”てんが”と”てんげ”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど