さて日常的に使われることはあまりないですが、「家人」という言葉があります。
この家人に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
家人がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは家人の読み方と意味、「かじん」と「かにん」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.家人の正しい読み方は「かじん」「かにん」?
では家人の正しい読み方は、「かじん」「かにん」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、家人の正しい読み方は「かじん」「けにん」「いえびと」になります。
家人の”家”は「いえ」「か」「け」、”人”は「ひと」「じん」「にん」と読むことができますが、家人は「かじん」「けにん」「いえびと」と読むのが正しく、「かにん」と読むのは間違いです。
一般的には家人は「かじん」と読むことが多いです。
ただ家人は「かじん」「けにん」「いえびと」のどれで読むかによって、意味が少し異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また”人”の読み方は「ひと」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「びと」という読み方をすることはできません。
家人のように「いえひと」ではなく、「いえびと」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
家人であれば、家(いえ)+人(ひと)なので、人(後ろの語)の語頭である清音の”ひ”が濁音の”び”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で家人の意味と類義語について解説していきます。
2.家人の意味と類義語について
では家人の意味と類義語について見ていきましょう。
まず家人(かじん)は「家族のこと」の意味として用いられています。
家人を「かじん」と読むと上記のような意味になりますが、
「けにん」「いえびと」と読むとそれぞれ以下のような意味となります。
家人を「けにん」と読むと「律令制下、諸氏(しょし)に隷属した賤民(せんみん)/御家人(ごけにん)/家に仕える人」の意味、「いえびと」と読むと「家族/家に仕える人/家に親しく出入りする人」の意味になります。
諸氏(しょし)というのは、”多くの人を敬っていう語のこと”で、
賤民(せんみん)というのは、”卑しいとされた身分の人のこと”を意味します。
このように家人は「かじん」「けにん」「いえびと」のどれで読むかによって、意味が少し異なるので覚えておきましょう。
また家人の類義語としては、「家内(かない)・一族(いちぞく)・親戚(しんせき)・配偶者(はいぐうしゃ)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても家人と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「家人の読み方と意味、”かじん”と”かにん”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 家人の正しい読み方は「かじん」「けにん」「いえびと」で、「かにん」は間違い。
- 家人(かじん)は「家族のこと」の意味。
- 家人(けにん)は「律令制下、諸氏に隷属した賤民のこと/御家人のこと/家に仕える人のこと」の意味。
- 家人(いえびと)は「家族のこと/家に仕える人のこと/家に親しく出入りする人のこと」の意味。
- 家人の類義語には、「家内・一族・親戚・配偶者」などがある。