さて日常的に使われることはほとんどないですが、「一献」という言葉があります。
この一献に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
一献がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは一献の読み方と意味、「いっこん」と「いっけん」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.一献の正しい読み方は「いっこん」「いっけん」?
では一献の正しい読み方は、「いっこん」「いっけん」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、一献の正しい読み方は「いっこん」になります。
一献の”一”は「いち」「いつ」、”献”は「こん」「けん」と読むことができますが、一献は「いっこん」と読むのが正しく、「いっけん」と読むのは間違いです。
また一献の”一”の読み方は「いち」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「いっ」という読み方をすることはできません。
一献のように「いちこん」ではなく、「いっこん」と変化して読むのは、日本語の「促音化(そくおんか)」と呼ばれているものです。
促音化とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語(カ行・サ行・タ行・パ行)の前に付いた音が「っ」(これを促音という)に変化する現象のこと”を言います。
一献であれば、一(いち)+献(こん)なので、献(後ろの語)の前に付いた音である”ち”が促音の”っ”に変化します。
例えば「楽器(がっき)」や「切削(せっさく)」は促音化なしで読むと、
「がくき」や「せつさく」と読むのが普通です。
もともと”楽”には「がっ」という読み方はないですし、”切”にも「せっ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では促音化によって促音(「っ」)に変化するため、
「楽(がっ)」「切(せっ)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が促音化によって促音(「っ」)に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で一献の意味と類義語について解説していきます。
2.一献の意味と類義語について
では一献の意味と類義語について見ていきましょう。
まず一献は「一杯の酒のこと/酒を一緒に飲むこと」の意味として用いられています。
一献を用いた例文としては、「一献差し上げる」や、
「今夜は一献やりましょう」のような使い方で用いられています。
前者の例文は「一杯の酒のこと」の意味で、
後者の例文は「酒を一緒に飲むこと」の意味で使用しています。
また一献の類義語としては、「馳走(ちそう)・相伴(しょうばん)・宴会(えんかい)・歓待(かんたい)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても一献と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「一献の読み方と意味、”いっこん”と”いっけん”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 一献の正しい読み方は「いっこん」で、「いっけん」は間違い。
- 一献は「一杯の酒のこと/酒を一緒に飲むこと」の意味。
- 一献の類義語には、「馳走・相伴・宴会・歓待」などがある。