さて日常的に使われるもので「一夕」という言葉があります。
この一夕に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
一夕がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは一夕の読み方と意味、「いっせき」と「いちゆう」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.一夕の正しい読み方は「いっせき」「いちゆう」?
では一夕の正しい読み方は、「いっせき」「いちゆう」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、一夕の正しい読み方は「いっせき」になります。
一夕の”一”は「いち」「いつ」、”夕”は「ゆう」「せき」と読むことができますが、一夕は「いっせき」と読むのが正しく、「いちゆう」と読むのは間違いです。
また一夕の”一”の読み方は「いち」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「いっ」という読み方をすることはできません。
一夕のように「いちせき」ではなく、「いっせき」と変化して読むのは、日本語の「促音化(そくおんか)」と呼ばれているものです。
促音化とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語(カ行・サ行・タ行・パ行)の前に付いた音が「っ」(これを促音という)に変化する現象のこと”を言います。
一夕であれば、一(いち)+夕(せき)なので、夕(後ろの語)の前に付いた音である”ち”が促音の”っ”に変化します。
例えば「楽器(がっき)」や「切削(せっさく)」は促音化なしで読むと、
「がくき」や「せつさく」と読むのが普通です。
もともと”楽”には「がっ」という読み方はないですし、”切”にも「せっ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では促音化によって促音(「っ」)に変化するため、
「楽(がっ)」「切(せっ)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が促音化によって促音(「っ」)に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で一夕の意味と類義語について解説していきます。
2.一夕の意味と類義語について
では一夕の意味と類義語について見ていきましょう。
まず一夕は「一晩。一夜のこと/ある夜。ある晩のこと」の意味として用いられています。
一夕を用いた例文としては、「一朝一夕では成功しない」や、
「それは夏の一夕の出来事だ」のような使い方で用いられています。
前者の例文は「一晩。一夜のこと」の意味で、
後者の例文は「ある夜。ある晩のこと」の意味で使用しています。
また一夕の類義語としては、「一晩(ひとばん)・一夜(いちや)・夜分(やぶん)・夜中(よなか)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても一夕と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「一夕の読み方と意味、”いっせき”と”いちゆう”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 一夕の正しい読み方は「いっせき」で、「いちゆう」は間違い。
- 一夕は「一晩。一夜のこと/ある夜。ある晩のこと」の意味。
- 一夕の類義語には、「一晩・一夜・夜分・夜中」などがある。