さて日常的に使われることはほとんどないですが、「牛車」という言葉があります。
この牛車に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
牛車がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは牛車の読み方と意味、「ぎっしゃ」と「ぎゅうしゃ」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.牛車の正しい読み方は「ぎっしゃ」「ぎゅうしゃ」?
では牛車の正しい読み方は、「ぎっしゃ」「ぎゅうしゃ」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、牛車の正しい読み方は「ぎっしゃ」「ぎゅうしゃ」「うしぐるま」になります。
一般的には牛車は「ぎっしゃ」と読むことがほとんどです。
「ぎゅうしゃ」と読むのも間違いではありませんが、「ぎゅうしゃ」と読むと”牛舎(ぎゅうしゃ)”と誤解されてしまうため、牛車は「ぎっしゃ」と読むのが良いでしょう。
ただ牛車は「ぎっしゃ」「ぎゅうしゃ」「うしぐるま」のどれで読むかによって、意味が少し異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また”車”の読み方は「くるま」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ぐるま」という読み方をすることはできません。
牛車のように「うしくるま」ではなく、「うしぐるま」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
牛車であれば、牛(うし)+車(くるま)なので、車(後ろの語)の語頭である清音の”く”が濁音の”ぐ”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で牛車の意味と類義語について解説していきます。
2.牛車の意味と類義語について
では牛車の意味と類義語について見ていきましょう。
まず牛車(ぎっしゃ)は「主に平安時代に、牛にひかせた、貴人(きじん)を乗せるための屋形車(やかたぐるま)のこと」の意味として用いられています。
貴人というのは、”地位・身分の高い人のこと”です。
牛車を「ぎっしゃ」と読むと上記のような意味になりますが、
「ぎゅうしゃ」「うしぐるま」と読むと上記の他に、「牛にひかせる荷車」の意味も含まれます。
このように牛車は「ぎっしゃ」「ぎゅうしゃ」「うしぐるま」のどれで読むかによって、意味が少し異なるので覚えておきましょう。
また牛車の類義語としては、「馬車(ばしゃ)・轅(ながえ)・荷車(にぐるま)・手車(てぐるま)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても牛車と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「牛車の読み方と意味、”ぎっしゃ”と”ぎゅうしゃ”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 牛車の正しい読み方は「ぎっしゃ」「ぎゅうしゃ」「うしぐるま」。
- 牛車(ぎっしゃ)は「主に平安時代に、牛にひかせた、貴人を乗せるための屋形車のこと」の意味。
- 牛車(ぎゅうしゃ、うしぐるま)は「牛にひかせる荷車のこと/主に平安時代に、牛にひかせた、貴人を乗せるための屋形車のこと」の意味。
- 牛車の類義語には、「馬車・轅・荷車・手車」などがある。