さて日常的に使われるもので「重石」という言葉があります。
この重石に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
重石がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは重石の読み方と意味、「おもし」と「じゅうせき」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.重石の正しい読み方は「おもし」「じゅうせき」?
では重石の正しい読み方は、「おもし」「じゅうせき」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、重石の正しい読み方は「おもし」「じゅうせき」の両方になります。
重石の”重”は「おも(い)」「じゅう」「ちょう」、”石”は「いし」「せき」と読むことができます。
一般的に重石は「おもし」と読むことがほとんどです。
ただ重石は「おもし」「じゅうせき」のどちらで読むかによって、意味が異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また重石の”石”の読み方は「いし」と読むことはできますが、それ単体では「し」と読むことはできません。
重石のように「おもいし」ではなく、「おもし」と変化して読むのは、日本語の「音韻脱落(おんいんだつらく)」と呼ばれているものです。
音韻脱落とは、”語を合成したときに、発音しやすくするため、元々あった音が一部なくなる現象のこと”を言います。
重石(=合成した後の語)であれば、合成する前は重(おも)[omo]+石(いし)[ishi]で、そのまま合成すると重石(おもいし)[omoishi]となりますが、音韻脱落により”i”の音がなくなり重石(おもし)[omoshi]と変化します。
・重(おも)[omo] + 石(いし)[ishi] → 重石(おもし)[omoshi]
例えば「読経(どきょう)」や「荒磯(ありそ)」は音韻脱落なしで読むと、
「どくきょう」や「あらいそ」と読むのが普通です。
・読(どく)[doku] + 経(きょう)[kyou] → 読経(どきょう)[dokyou]
・荒(あら)[ara] + 磯(いそ)[iso] → 荒磯(ありそ)[ariso]
(荒磯は一般的に「あらいそ」と読むことが多いですが、音韻脱落により「ありそ」と読むこともできます)
もともと”読”には「ど」という読み方はないですし、”荒”にも「あり」という読み方は存在しません。
ですが日本語では音韻脱落によって元々あった音が一部なくなるため、
「読(ど)」「荒磯(ありそ)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が音韻脱落によって、元々あった音が一部なくなるわけではないので、注意してください。
次の章で重石の意味と類義語について解説していきます。
2.重石の意味と類義語について
では重石の意味と類義語について見ていきましょう。
まず重石(おもし)は「物を押さえるのに用いる石のこと/人を抑える力。また、その力を持つ人のこと/秤に使う重りのこと」の意味として用いられています。
重石を「おもし」と読むと上記のような意味になりますが、
「じゅうせき」と読むと「タングステンの鉱石の総称のこと」の意味となります。
このように重石は「おもし」「じゅうせき」のどちらで読むかによって、意味が異なるので覚えておきましょう。
重石を用いた例文としては、「漬物で用いる重石(おもし)」や、
「世の重石(おもし)となる」のような使い方で用いられています。
前者の例文は「物を押さえるのに用いる石のこと」の意味で、
後者の例文は「人を抑える力のこと」の意味で使用しています。
また重石の類義語としては、「文鎮(ぶんちん)・分銅(ふんどう)・落し蓋(おとしぶた)・万鈞(ばんきん)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても重石と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「重石の読み方と意味、”おもし”と”じゅうせき”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 重石の正しい読み方は「おもし」「じゅうせき」の両方。
- 重石(おもし)は「物を押さえるのに用いる石のこと/人を抑える力。また、その力を持つ人のこと/秤に使う重りのこと」の意味。
- 重石(じゅうせき)は「タングステンの鉱石の総称のこと」の意味。
- 重石の類義語には、「文鎮・分銅・落し蓋・万鈞」などがある。