さて日常的に使われるもので「薬缶」という言葉があります。

 

この薬缶に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
薬缶がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。

 

そこでこのページでは薬缶の読み方と意味、「やかん」と「やっかん」どちらが正しいのかを解説します。

 

どうぞご覧ください。

 

 

 

1.薬缶の正しい読み方は「やかん」「やっかん」?

 

では薬缶の正しい読み方は、「やかん」「やっかん」どちらなのかを見ていきましょう。

 

結論から言ってしまうと、薬缶の正しい読み方は「やかん」「やっかん」の両方になります

 

薬缶の”薬”は「くすり」「やく」、”缶”は「かん」と読むことができます。

 

 

ただ一般的には薬缶は「やかん」と読むことがほとんどです。

 

 

 

また薬缶の”薬”の読み方は促音化により「やっ」と読むことはできますが、それ単体では「や」と読むことはできません。

 

(促音化とは、2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語(カ行・サ行・タ行・パ行)の前に付いた音が「っ」(これを促音という)に変化する現象のこと)

 

薬缶のように「やっかん」ではなく、「やかん」と変化して読むのは、日本語の「音韻脱落(おんいんだつらく)」と呼ばれているものです

 

 

 

音韻脱落とは、”語を合成したときに、発音しやすくするため、元々あった音が一部なくなる現象のこと”を言います。

 

薬缶(=合成した後の語)であれば、合成する前は薬(やっ)[yak]+缶(かん)[kan]で、そのまま合成すると薬缶(やっかん)[yakkan]となりますが、音韻脱落により”k”の音がなくなり薬缶(やかん)[yakan]と変化します。

 

・薬(やっ)[yak] + 缶(かん)[kan] → 薬缶(やかん)[yakan]

 

 

 

例えば「読経(どきょう)」や「荒磯(ありそ)」は音韻脱落なしで読むと、
「どくきょう」や「あらいそ」と読むのが普通です。

 

・読(どく)[doku] + 経(きょう)[kyou] → 読経(どきょう)[dokyou]

 

・荒(あら)[ara] + 磯(いそ)[iso] → 荒磯(ありそ)[ariso]

 

(荒磯は一般的に「あらいそ」と読むことが多いですが、音韻脱落により「ありそ」と読むこともできます)

 

 

もともと”読”には「ど」という読み方はないですし、”荒”にも「あり」という読み方は存在しません

 

 

ですが日本語では音韻脱落によって元々あった音が一部なくなるため、
「読(ど)」「荒磯(ありそ)」と変化させて読んでいるのです。

 

ただすべての言葉が音韻脱落によって、元々あった音が一部なくなるわけではないので、注意してください。

 

 

次の章で薬缶の意味と類義語について解説していきます。

 

2.薬缶の意味と類義語について

 

では薬缶の意味と類義語について見ていきましょう。

 

まず薬缶は「銅・アルミニウムなどから作られている、湯を沸かすのに用いる容器のこと」の意味として用いられています。

 

 

薬缶を用いた例文としては、「薬缶から湯気が立つ」や、
「薬缶に水を入れる」のような使い方で用いられています。

 

 

 

また薬缶の類義語としては、「土瓶(どびん)・急須(きゅうす)・茶釜(ちゃがま)・湯沸かし(ゆわかし)」などの言葉が挙げられます

 

どの言葉についても薬缶と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。

 

 

以上が「薬缶の読み方と意味、”やかん”と”やっかん”正しいのは?」でした。

 

 

3.まとめ

これまで説明したことをまとめますと、

  • 薬缶の正しい読み方は「やかん」「やっかん」の両方。
  • 薬缶は「銅・アルミニウムなどから作られている、湯を沸かすのに用いる容器のこと」の意味。
  • 薬缶の類義語には、「土瓶・急須・茶釜・湯沸かし」などがある。

 

 

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