さて日常的に使われるもので「一時」という言葉があります。
この一時に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
一時がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは一時の読み方と意味、「ひととき」と「いっとき」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
では一時の正しい読み方は、「ひととき」「いっとき」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、一時の正しい読み方は「ひととき」「いっとき」「いちじ」になります。
一時の”一”は「いち」「いつ」「ひと」、”時”は「とき」「じ」と読むことができます。
一般的には一時は「いちじ」と読むことが多いです。
ただ一時は「ひととき」「いっとき」「いちじ」のどれで読むかによって、意味が少し異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また一時の”一”の読み方は「いち」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「いっ」という読み方をすることはできません。
一時のように「いちとき」ではなく、「いっとき」と変化して読むのは、日本語の「促音化(そくおんか)」と呼ばれているものです。
促音化とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語(カ行・サ行・タ行・パ行)の前に付いた音が「っ」(これを促音という)に変化する現象のこと”を言います。
一時であれば、一(いち)+時(とき)なので、時(後ろの語)の前に付いた音である”ち”が促音の”っ”に変化します。
例えば「楽器(がっき)」や「切削(せっさく)」は促音化なしで読むと、
「がくき」や「せつさく」と読むのが普通です。
もともと”楽”には「がっ」という読み方はないですし、”切”にも「せっ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では促音化によって促音(「っ」)に変化するため、
「楽(がっ)」「切(せっ)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が促音化によって促音(「っ」)に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で一時の意味と類義語について解説していきます。
では一時の意味と類義語について見ていきましょう。
まず一時(ひととき)は「しばらくの間のこと/ある一時期のこと/昔の時間区分で、今の2時間のこと」の意味として用いられています。
一時を「ひととき」と読むと上記のような意味になりますが、
「いっとき」「いちじ」と読むとそれぞれ下記のような意味となります。
一時を「いっとき」と読むと「しばらくの間/ある一時期/昔の時間区分で、今の2時間/同時」の意味で、「いちじ」と読むと「過去のある時/少しの間/その場限り/時刻の名称」の意味となります。
このように一時は「ひととき」「いっとき」「いちじ」のどれで読むかによって、意味が少し異なるので覚えておきましょう。
一時を用いた例文としては、「一時(いっとき、ひととき)流行っていた」や、
「一時(いちじ)の間に合わせで乗り切る」のような使い方で用いられています。
前者の例文は「ある一時期のこと」の意味で、
後者の例文は「その場限りのこと」の意味で使用しています。
また一時の類義語としては、「先刻(せんこく)・一昔(ひとむかし)・往年(おうねん)・昔日(せきじつ)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても一時と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「一時の読み方と意味、”ひととき”と”いっとき”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、