さて日常的に使われるもので「伝播」という言葉があります。
この伝播に使用されている漢字(特に”播”)は普段あまり見ることはなく、
どのような読み方なのか分からないという人も多いですよね。
そこでこのページでは伝播の読み方と意味、「でんぱ」と「でんばん」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.伝播の正しい読み方は「でんぱ」「でんばん」?
では伝播の正しい読み方は、「でんぱ」「でんばん」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、伝播の正しい読み方は「でんぱ」になります。
伝播の”播”は「は」「ばん」と読むことができますが、伝播は「でんぱ」と読むのが正しく、「でんばん」と読むのは間違いです。
また伝播の”播”の読み方は「は」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ぱ」という読み方をすることはできません。
伝播のように「でんは」ではなく、「でんぱ」と変化して読むのは、日本語の「半濁音化(はんだくおんか)」と呼ばれているものです。
半濁音化とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭(ハ行音)がパ行音に変化する現象のこと”を言います。
このパ行音(パ・ピ・プ・ペ・ポ)のことを”半濁音(はんだくおん)”と呼びます。
伝播であれば、伝(でん)+播(は)なので、播(後ろの語)の語頭である”は”が半濁音の”ぱ”に変化します。
例えば「卵白(らんぱく)」や「分布(ぶんぷ)」は半濁音化なしで読むと、
「らんはく」や「ぶんふ」と読むのが普通です。
もともと”白”には「ぱく」という読み方はないですし、”布”にも「ぷ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では半濁音化によって半濁音(パ行音)に変化するため、
「卵白(らんぱく)」「分布(ぶんぷ)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が半濁音化によって半濁音(パ行音)に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で伝播の意味と類義語について解説していきます。
2.伝播の意味と類義語について
では伝播の意味と類義語について見ていきましょう。
まず伝播は「伝わり広まること/波動が広がっていくこと」の意味として用いられています。
波動というのは、”物質の振動が隣接する部分の運動を引き起こして、その振動が次々に物質に伝えられていく現象のこと”です。
伝播を用いた例文としては、「日本へと文化が伝播する」や、「振動が伝播する」のような使い方で用いられています。
前者の例文は「伝わり広まること」の意味で、後者の例文は「波動が伝わっていくこと」の意味で使用しています。
また伝播の類義語としては、「波及(はきゅう)・波紋(はもん)・伝導(でんどう)・伝達(でんたつ)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても伝播と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「伝播の読み方と意味、”でんぱ”と”でんばん”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 伝播の正しい読み方は「でんぱ」で、「でんばん」は間違い。
- 伝播は「伝わり広まること/波動が広がっていくこと」の意味。
- 伝播の類義語には、「波及・波紋・伝導・伝達」などがある。